実演鑑賞
満足度★★★
清流劇場という関西の始めてみる劇団だが、すでに長い上演歴を持つ。ことにギリシャ劇は7本目で、ギリシャ劇を身近なものに、とか今の生活で解るように補綴したりしている。
関西では木ノ下歌舞伎があるからこういう古典の上演法も小劇場まで行き届いているのか、とも思うが、両者の間にはかなり距離がある。ギリシャ劇は今とは遠い(当たり前だ)から解りやすいようにあらすじを前説したり、登場人物が境遇説明をしたりするが,今をなぞって通り一遍で、ただただややこしくなるだけでギリシャ劇の芝居の核心について入って行かない。木ノ下の前説では、芝居のキモを演者が出てきてやってみたりもする。説明の技術も濃度も違う。これでは下手な前説のスジ売りなどない方がすっきりする。
大阪弁で身近に,というが、もともとギリシャ劇は何千年も昔の断片で,わかりが良いものではない。それを関西弁で、シチュエーションを台所にしたくらいで身近になると思っている方が考え違いである。ギリシャ劇を現代にダブらせれば、それは完全な誤解である。この舞台を見ているとそこはよくわかる。
無理な現代解釈は,演技にもおよび、解りやすいマンガ調になってしまう。俳優の中には達者な人もいて,それはそれで面白く笑ってしまうのだが,それは一時的な笑いを呼ぶだけで、劇とはあまリ関係ない。挿入歌はうまく入っている。2時間ほど。8分のいり。やってる意味がよくわからない。