実演鑑賞
満足度★★★★
違う雰囲気の2つの芝居を観ているような。前半の面白可笑しく 弾けた娯楽劇、後半の生きるを切々に訴えた心情劇、その動的であり静的という二面構成で紡ぐ。サブタイトル~紬ぎ結ぶは約束の糸~、その約束について ニーチェの「人間は行動を約束することはできるが、感情は約束できない」の言葉を引用して物語は始まる。
本作は、昨年上演予定であったが、本番直前で中止になっている。カーテンコールで主宰の星宏美さんが感極まって涙が。劇中で 雨が降る比喩として<悲し涙>と<嬉し涙>と言っていたが、まさに星さんの昨年と今年の心境に重なるように思える。そして手書きの挨拶文に「皆様に作品をお届けし続けることを 約束 します!!!」と力強い表明、一観客として応援したい。
この作品は、前作「引き結び~紬ぎ結ぶは命の糸~」の1~2年前という設定のよう。前作の主人公 高松一輝(前作では大学生、本作では高校生)の友人 南波圭介とその妹 藤田彩芽が主人公。舞台は北海道、そしてレンタルビデオ店だけに映画に準えた雰囲気の人々が…。全ての人物が善人、そして優しく温かく紡ぐが、先にも記したが前半の笑いから後半の泣き、その感情の揺さぶりが半端なく凄い。
(上演時間1時間50分 途中休憩なし)【紬チーム】