実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/08/19 (土)
愛知県芸術劇場にて2023年版のミュージカル『アニー』を観劇。
コロナ禍の影響で2021~22年は1幕短縮版での上演となっていた歴史あるミュージカル作品が、ようやく4年ぶりに本来の2幕構成のフルバージョンに。個人的には例年東京公演を拝見していましたが、今年は上手くタイミングが合わず、初めて夏のツアー公演を観劇させていただきました。愛知県芸術劇場を訪れたのも今回が初めてでした。
気付けば『アニー』の観劇は今回で7回目となるのですが、この作品を観て1年のエネルギーをチャージしているといっても過言ではないほど、アニーというキャラクターの前向きな姿勢、アニーを通して変化していく大人たちの姿、そして不況や困難に立ち向かって皆で頑張っていこうというストーリーには、自然と大きなエネルギーを貰っている気がします。
人間生きていれば困難にぶち当たるのは当然であり、大事なのは、その困難にどう立ち向かっていくかだと思います。アニーを見ていると、常に明るくポジティブで、周りの人々に良い影響を与えている。この明るくポジティブに生きている姿こそが偉大であり、アニーを見習って諦めずに頑張っていこう、という気持ちになれるのです。とてもメッセージ性のある作品だと思います。何度観ても飽きないのは、先ほど書いた“エネルギーチャージ”のほか、そもそも子供キャストが多い作品ながら、これだけ素晴らしい作品を創っているという事実と、子供キャスト一人一人の頑張り。さらに、「♪Tomorrow」をはじめ、「♪ここが好きかもね」「♪N.Y.C.」「♪二人でいればいい」など名曲ナンバーの数々。挙げればキリがないくらい中毒性のある要素が多くあるからだと思います。
90分1幕の短縮版もそれはそれで良かったのですが、今回改めて2幕版を観てみると、やはり深いなぁと再認識しました。中でもホワイトハウスのシーンは今の日本政府にも学ぶ部分があるのではないかと。アニーが孤児院を抜け出してサンディと出会うシーンも、1933年当時の荒れているアメリカの状況を映し出していて、より情景が深まります。人気ラジオ番組の収録シーンや、クライマックスの「♪ニューディール フォークリスマス」が流れるシーンも圧巻です。
今回は西光里咲さんがアニー役を務めたチーム・モップの公演を拝見させていただきましたが、西光さんは声量があり、元気なアニー役を好演されていたと思います。ハニガン役のマルシアさんは悪役ぶりが見事。そして、ウォーバックス役の藤本隆宏さんもさすがの存在感。お金持ちで貫禄が伝わってくる部分と随所に見られる弱々しい部分が絶妙に感じられ、非常にハマり役だと感じているので、2年ぶりの復活は嬉しく思いました。その他キャストも全員が良い。今年も大満足です。