真夜中の取調室 公演情報 演劇集団アーバンフォレスト「真夜中の取調室」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    仕組まれた罠
    志村刑事役の迫田圭司が実に素晴らしい演技をしていた。彼だけがずば抜けていい。物語は序盤の出だしといい、コメディ感、溢れちゃってワタクシ好み!  後半でミステリーな展開とともにシリアスになっていくが、終盤の収束に向かっていく演技力に迫力がない。ちょっと惜しい。サスペンスコメディー。

    以下はネタばれBOXにて。。


    ネタバレBOX

    ちっさなジャズバーで起きた殺人現場の事情聴取の為に、志村刑事は現場に居合わせた5人の証言を取るも、全員が全く違った証言をする。彼ら5人の証言の情景を考慮しながら志村刑事が犯人役となって再現する場面がとにかく可笑しい。コメディなのだ。笑   

    そんな5場面をそれぞれのパターンで馬鹿馬鹿しくも巧妙に再現する志村。しかし、そんな5人の証言に疑問を抱いた志村はバーテンの稲葉が置き忘れた鍵を届けにジャズバーに行ってみると、他人同士のはずの証言者の3人が集っていたのだった。そこで事件の真相が暴かれる。

    つまり、ジャズバーの客と証言していた4人とバーテンの稲葉はかつての「劇団ホワイトアップル」の座員だったのだ。そして殺された加藤は、その劇団の座長だった。殺人犯の高木(やはり座員だった)は加藤から借金をしており、その返済を迫られたので、思い余って殺してしまったという。

    証言者ら5人は死に際の加藤からの言葉、「高木を助けてやれ・・。」という最後の意を汲んで高木をかばっていた。という筋だった。これを受けて刑事は高木のアパートへ向かい、加藤の血痕の付いたシャツを確認、逮捕し事件は解明されたのだった。

    物語は「これにて一件落着!」なんつって、晴天の真っ青な空をバックに桜吹雪なんか飛び交って、ついでに、桜の刺青をしたちょんまげ姿のバカ殿様が、抜いたこともない刀を杖代わりにして得意そうに満面の笑顔をして立ってる姿を想像したが、事件はちっとも解決していなかった。

    要は、これまでの刑事を巻き込んだ筋は全て死んだ加藤が書いた台本どおりに座員が演技をしていたのだ。加藤は加藤の妻が自殺した原因が高木の暴行によるものと知り、高木にその制裁を加える為に自分の命を犠牲にしてまでも演じたシナリオだった。加藤は自分で腹を刺し、その血痕を高木が泥酔して寝ている隙に付けて来たという。全ては高木を犯人にする為に仕組んだ罠だった。という筋。

    結局薬局、事件の真相は闇の中のままだ。後半の殆どは笑いはない。これを本で読むなら、きっと東野圭吾バリバリのサスペンスなのだろう・・、だけれど、舞台で見せるには、すこ~しばかり迫力に欠けた。たぶん、演技力と音響の問題かも知れない。前半コメディ、後半サスペンス。

    0

    2010/06/09 18:35

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大