しゃぼんのころ 公演情報 マームとジプシー「しゃぼんのころ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    記憶の中のリアリティ
    それは、今を観る目にとっては
    まとまりに欠けたものであっても、
    記憶のスケッチという視点からは
    とても精緻な造形の描写なのだと思います。

    いくつもの感触が
    あるがごとくに伝わってきて
    息を呑みました

    ネタバレBOX

    中学校の風景、
    冒頭から様々な記憶の断片が
    コラージュのように繰り返され
    ジグゾーパズルのピースが埋まっていくように
    とある三日間が観る側に広がっていきます。

    同じ時間が何度も繰り返されたり
    同じ事象の視点が変わったり
    時間が行き来したり
    一つの事象からいくつかの事象が広がったり・・・
    その時間の外側の出来事が挿入されたり。

    それは、あたかも記憶達の反芻の
    細密な描写のように思える。
    その再生から伝わってくる
    事実ではなく感覚としてのリアリティに
    次第に取り込まれていく。

    表現される個々の想いが
    ステレオタイプにではなく
    あいまいに
    なんとなくわかりだしていくような感じに
    前のめりになる。
    感じると理解するの中間あたりに
    いろんなものが置かれているよう。

    野宿、彼氏の部屋、学校のこと、
    上履きのサボテン、トイレでのおしゃべり
    晴れでもりでも雨でもない天気。
    なんとなく息がつまるけれど
    でも溢れてしまうほどでもない、
    やわらかく行き場なく閉塞した感じ・・・。

    縮れた赤毛の女性が出てくる小説(第七官界彷徨)の
    作家から取ったというミドリという猫の存在が暗示的で・・・。
    いつか見たというどろどろになった猫と重なっていく、
    記憶の重なりから醸し出されるような
    第七官界での感覚に取り込まれて・・・。

    たくさんの感覚が
    流れ込んできて
    それが単純にまとまることなく
    クラウドのように心に広がっていく。

    終演しても
    その感覚のアドレスが見つからず・・・。
    にもかかわらず、占有されふかく浸潤された感覚が散らず、
    しばらく席を立つことができませんでした。

    ☆☆★★★




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    2010/06/07 12:12

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