その場しのぎの男たち 公演情報 劇団東京ヴォードヴィルショー「その場しのぎの男たち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    おもしろかった。どくに後半、陸奥宗光と伊藤博文の確執があらわになり、その因縁も絡んだ陸奥の策が、ことごとく失敗していく。犯人の妻、人力車夫、くのいちまで登場し、ダメ男たちだけでは作れない活気をつくり出す。その怒涛の1時間は本当に面白かった。休憩なし2時間5分。
    三谷幸喜31歳の作だそうで、戯曲に若さと才気がはじけている。

    配役(ほぼ登場順)。
    出たり入ったり、ロシア側の動きの説明役の外相・青木周蔵(たかはし等?)
    主将の薩摩からの幼馴染で、声は大きいが役には立たない内相・西郷従道(坂本あきら・客演)足が臭いのはご愛敬。それが時には武器にもなる。
    首相と伊藤の間で風見鶏を演じる目立ちたがり屋の逓信相・後藤象二郎(石井愃一)。ざんぎり頭の長髪で幕末の志士の生き残り。それらしく、修羅場には強い。
    優柔不断の首相・松方正義(佐渡稔)
    一番の切れ者と言われつつ、出す策が次々裏目に出るの陸奥宗光(佐藤B作)
    政界最大の実力者伊藤博文(伊東四朗)。御年86歳。にこりともせず、オーバーな動きもなく、ただぶっきらぼうにセリフを言うだけで、客席爆笑。喜劇役者の神様である。
    伊藤の右腕の若い書記官・伊東巳代治(まいど豊?)
    犯人の津田三蔵の妻(あめくみちこ)。「夫の命を助けるため」といわれて、とんでもない役を押し付けられるが、本人も何を期待されたのか分からず……。
    ニコライを助けた車引き(山口良一、日により大森ヒロシとWキャスト)。学はないが、誰にもこびない無法松のような男。口先だけの政治家の中に混じると、引き立つ。
    元くのいち(山本ふじこ)。伊東四朗同様、にこりともせず、爆笑につぐ爆笑をとる天性のコメディエンヌ。登場回数は少ないが、一番面白かった。ブラボー
    ほかにホテルの執事、や楽隊。最後に犯人の津田も現れる。

    ネタバレBOX

    カーテンコールで佐藤B作が、昨日の感想から元高校日本史教師の女性(67)を紹介していた。「大津事件を学校で教えてきましたが、事件の裏の裏が初めてわかりました」。聞いて会場はまた爆笑であった。

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    2023/07/27 13:44

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