幸せを踏みにじる幸せ【公演終了!ご来場誠にありがとうございました】 公演情報 ジェットラグ「幸せを踏みにじる幸せ【公演終了!ご来場誠にありがとうございました】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    歪みから搾り出されるまっとうさの逆転
    どこか溢れるような
    キャラクターたちの雰囲気が
    物語をしっかりと支えて・・・。

    時間を全く感じずに
    その世界に押され続けてしまいました

    ネタバレBOX

    受付で菊の花を渡されて・・・。

    場内に入ると、斎場のような雰囲気で
    遺影に献花をしてから席につきます。
    そのままの空気で舞台が始まる。
    ひとりの少女が現れて
    その死の顛末の物語へと導かれていく。

    冒頭のハイキング風のシーンでは
    個々の自殺願望がどこか形骸化してみえて・・。
    それゆえ自殺防止の組織から潜入した
    男の説得も、ステレオタイプだけれどまっとうに思える。

    ところが、彼がむりやり自殺を通報し
    監禁されたあとにはその概念が崩れていきます。
    集団自殺の実行という大義名分に
    参加者が組み込まれて、
    そこにかりそめの掟が生まれ
    居場所を見つけた個々の闇が
    死と裏腹な暴走を始める。

    その集団の社会を作り上げるための
    個々のキャラクタ-設定が絶妙。
    生きることから押し出されたような死への動機、
    揺らぎながらも逃げられないような感覚が
    役者たちの腰の据わった演技が醸し出す
    圧力のような感覚とともに伝わってくる。
    だからこそ、
    死にまで追い込まれたことの反動のように
    自殺を妨げるものを追い詰めていくロジックが
    すっと腑に落ちる。

    その小屋の持ち主の感覚も含めて
    概念とかではなく
    キャラクターから解き放たれた個性の具象化のなかで
    伝わってくる
    観る側にとって良い意味で逃げ場がないものがあるのです。

    集団のなかでは常に一定の比率で怠けものが生まれる話や
    自殺した身内を弔うものが
    常にそういう廻りになっているという感覚が
    駒がゆっくりと連鎖して倒れるがごとく
    観る側を包み込む。
    生きることを自殺者に説いたものが
    説かれたものからの同じ言葉で
    追い込まれていく姿は
    まさに圧巻。

    いろんな意味で赤裸々でどこかいびつ、
    でも、よしんば、そのいびつな世界でも
    いや、いびつな世界だからこそ
    伝わってくる人間の本質がある。
    その本質が変わらないから、役まわりも変わらない。

    物語を包み込むような終演近くの達観が
    すっと沁みてくる。

    谷作劇の艶のようなものすら感じ
    役者の個性に魅入られて。

    初日ということで
    すこしだけ間のずれのようなものを感じたりはしたものの
    べたな言い方ですが、
    本当に面白かったです。

    ☆☆☆★

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    2010/06/02 13:44

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