白眉濛濛 公演情報 海ねこ症候群「白眉濛濛」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    絵を描くことが大好きな主人公・坪田実澪(みれい) さん。売れることや評価されることは余り気にしていない。ある日、街なかで画商の河合陽花(はるか)さんに声を掛けられる。彼女の主催する絵画のオークションを見学することに。そこでは物凄い額で絵が取引されていた。発奮した主人公、画商の所有するシェアハウスに住み込んで絵の制作に打ち込むことに。

    画商の河合陽花さんを『坊っちゃん嬢ちゃん』のマタハルさんだと誤解していた。どちらもイケメン女子。
    主人公の坪田実澪さんはマリアのイーちゃんが物真似する小雪風味の愛嬌でチャーミング。

    オークションのシーンがダンスでテンポよく面白い。シェアハウスの世話係・新里乃愛さんがまだ二十歳!「忙しい忙しい」とそこら中をはたきながら、雀を何羽も乗せる。かなり巧い役者だった。オレンジの家政婦・神尾りひとさんがキュート。劇団の主催であり、司会者役の作井茉紘さんも目立つ。
    熊本や石川から大きな花束を持って駆け付けるファン達にRespect。

    ネタバレBOX

    物語のテイストが『 U-33project』っぽい。だが作品に哲学が足りない。高額で絵画が取引される様は価値観の本質の風刺だと思うのだが、もう一歩突き詰めたい。

    好きなことを好きでいられる才能というものがあると思う。やっぱり人間、飽きてくる。昔、夢中だったものをふっと思い出した時に、ずっと好きのままだった奴等にRespect。人間の嗜好性なんて変わっていって当然。それでも螺旋のようにまた巡り逢うことも事実。

    シリアスなシーンが退屈。観せ方が下手。画商と主人公の出会いも適当。シェアハウスのくだりも意味がない。悪人を描けないのだろう。エピソードはぬるい友人関係ばかり。あやふやな言葉とあやふやな感情、全てすり抜けてしまうだろう。

    画商の本当の目的は才能がないのにやめられない人間を見付けて諦めさせること。オークションで全く相手にされなかった主人公は踏ん切りが付いてやめる。だがしばらくするとまた描き出す。何故か?人は意味や理由があって生きている訳ではないからだ。ただ生きる。ただ描く。

    ※3日目に扁桃炎で信國ひろみさんが降板、作井茉紘さんがその日の二公演の急遽代役に。
    4日目に他の出演者のコロナ陽性が判明し、以降公演中止。

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    2023/06/22 06:28

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