実演鑑賞
満足度★★★
大司教フロロー(野中万寿夫)の若き日の弟との別れから、カジモド(寺元健一郎)が怒りと悲しみからフロローと対決するまでをテンポよく見せていく。ただ一つ一つの情景がアッサリ気味。たとえばカジモドがジプシーのエスメラルダ(松山育恵)と出会う、祭りの日も、カジモドがタブーを破って人前に我が身をさらすためらいが少なくて、十分な葛藤なしに流れてしまう。フロローがエスメラルダに横恋慕するのも、なぜそれほどに恋焦がれるのかわからない。そう決まっているから恋するというように見える。
カジモドの心のうちを示すため、聖堂の聖人像やガーゴイルたちがコロスになるのも、説明的な感じ。シリアスな悲劇のつくりなのだが、物語の大きなうねりにのれなかった。
東京の四季劇場で23年5月27日(土曜)夜に見たのだが、サイトにその情報がないので、ここに書いておく