虹む街の果て 公演情報 KAAT神奈川芸術劇場「虹む街の果て」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    「虹む街」から2年とは時の速さよ。まだ鬱々とした、一年遅れの東京五輪を控えて揺れていた時期に、横浜黄金町の昔の風景はこうだったか、というようなコインランドリーや自販機のある朽ちた鉄骨建屋とその周辺の多国籍な店、その界隈を「完全に模した」かのようにぶち立てていた。美術(稲田美智子)ともども界隈に人が行き交う風景には、歌はあっても台詞は殆どなく、観客はそこで生起するものを「観察」するのみ。「今日が最後の営業日」・・コインランドリーの管理人(オーナー?)の安藤玉恵が見せる背中が・・。多くの店がつぶれていった世相を映し、同時に(神奈川県在住の多種多様な人種民族の)人間たちの飄々と生きる力強さを対地させていた。

    そして今作は、メインの出演者が応募から選ばれた(オーディション等をやったかは不明)神奈川県人。二人だけはオファーで出演した人おにょうだが、彼らも皆と並列で、有象無象の一人として出る。一般人はと言えば、やはり多種多様な民族をルーツに持つ人らである。
    前にも増してストーリーはなく、「虹む街」からどの位経ったか知れない未来の、同じ(よりくすんだにせよ)コインランドリーのある建屋と周囲の店の風景がインパクト大。彼らが明確にメインとなった事で、観る側としては見やすくなった。前回も出ていたアリソン・オパオンの唄とギターがしっかりヒューチャーされ、他の持てるキャラ、才能を開陳しながらも、逆にそれらを飲み込んで息づく「街」が主役となっている。
    街には私たちもフリーアクセスできるが、そこに暮らす人々を知る事はない。

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    2023/05/22 00:23

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