ファインディング・ネバーランド 公演情報 ホリプロ「ファインディング・ネバーランド」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ジェームズ・バリの生い立ちと、公私にわたるゆきづまりが根っこにある(最初に明かされるわけではない)。そこに光をもたらしたシルヴィア夫人とその4人の子供たち(史実は最初3人で、のちに生まれた子もいて5人)との出会い。外見を繕い堅苦しい大人の世界を嫌い、子どもたちの無垢と空想の世界へのあこがれが刺激される。世間の冷たい目をはねのけて、ピーター・パンの舞台に結実する。そういう盛りだくさんの内容を2時間30分(休憩20分別)のミュージカルに入れ込んでいる。そして、思いがけない不幸。当然舌足らずなところは出るし、日本初演の(しかも初日を観劇)まだこなれないぎこちなさもある。でも、シルヴィアたちに見せる「ピーター・パン」の初日は素直に感動した。そして、子どもたちがリードする最後のフィナーレもすばらしかった。

    感動したのはアンサンブルが活躍するコーラス場面。俗なディナーを頭の中でぶち壊す「頭の中のサーカス」も、次々と変わる場面で同じメロディーを繰り返した手法が効果的面白かった。山崎育三郎(ジェームズ・バリ)のソロやデュエット曲は見事な美声で聞かせたが、美しすぎてどこかドラマとかみ合わない気がした。うますぎて、バリの未熟さ、不器用さが消えてしまうというか。当たっていないかもしれないが、あえて一言すれば「歌うのでなく語る」ことが必要かもしれない。

    ネタバレBOX

    死にそうなティンカー・ベルを救うために、ピーター・パンが「もし妖精を信じているなら、どうか拍手して」と4人の子供たちに願う場面。子供たちより先に、わからずやの祖母(杜けあき、好演)が憑かれたように手をたたき、客席からも割れんばかりの拍手が起きる。実際の、「ピーター・パン」の初演のエピソードを再現したものだが、沸き起こる拍手に思わず目頭が熱くなった。いい場面だった。

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    2023/05/16 22:37

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