実演鑑賞
満足度★★★
微妙な印象をもった公演。
説明にある 天界と魔界の戦争は、もう一万年以上続いている。しかし今では、末裔たちが先代の遺恨を継ぎ意味のない争いを続けているに過ぎない。そして「天使と悪魔の禁断の恋」となれば、異界版「ロミオとジュリエット」を連想してしまうが…。
物語は、人間の少女と天界・魔界との関係などを面白可笑しく、そして切なく描く。少女の心の彷徨が中心であるが、天界の民主制や魔界の世襲制といった体制の違いに苦悩若しくは苛立つといったシーンを挿入する。しかし、そのシーンが物語全体にどのような意味合いや影響を持たせているのかが解らない。
少女は高校の卒業式の後 転んで、天魔界の外れにあるライブハウス「Hell and Heaven 」に彷徨い込んでしまう。そこは何故か天使と悪魔が打ち解け共存している。彼女は、この場所で天使 悪魔と触れ合うことによって少しづつ孤独を癒していく。頑なに「一人で生きていく」という気持から他者との関わりの大切さを学んでいく。その意味では彼女の成長譚でもある。一方、天使や悪魔は人間に興味津々、人間界での流行りものについて彼女に質問するが…。
(上演時間1時40分 途中休憩なし)