ザ・パワー・オブ・イエス 公演情報 燐光群「ザ・パワー・オブ・イエス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    翻訳常田さんの功績大
    金融関係の知識には疎い私が、眠くなりはしないかと不安で、行きましたが、そんな心配は無用で、大変興味深く拝見できました。
    これって、たぶん、常田さんの翻訳がお上手だからなのでは?
    専門用語の飛び交う台詞を、役者さん達が、皆さん、自分のものにして、役として舞台上にいて下さったので、厭きることがなかったのですが、もしこれが金融関係に明るい専門家の直訳のような翻訳だったら、こうは行かなかっただろうと思うのです。 
    常田さんは、元々演劇人でしたから、演劇の生きた台詞として翻訳して下さるので、どんなジャンルの芝居でも、役者さんの口から発せられる言葉が生き生きとしたものになるのだと、いつも感嘆しています。

    ドキュメンタリー色が強いと聞いて、「ハシムラ東郷」のようだったらどうしようかと思いましたが、これは、きっちり、演劇として成功している舞台でした。

    ネタバレBOX

    内容自体は、それ程目から鱗のようなものはなく、かつてNHKのドキュメンタリーで、私でも知っているような類の知識しか得られず、肩透かしを食った気もしましたが、最初に、作者役の俳優が「これは芝居ではありません」という台詞とは真逆で、これは、ドキュメンタリーに見せた、実はれっきとした芝居なのではと思いました。
    作者のインタビューに答える、金融関係者が、きっちり、それぞれ、キャラクターを付与した役割を与えられて、登場するから、実に、面白くてなりませんでした。
    だから、時折最近の燐光群芝居に危惧する、役者さんのモチベーションの心配をせずに、済みました。皆さん、生き生きと役を演じていましたもの。
    だけど、やはり、御自分の日常にない台詞が多いせいか、多くの役者さんが、かむ事が多く、終盤は、御自身の台詞が飛んでしまった役者さんんもいて、それはちょっと残念ではありました。

    考えてみれば、大昔の経済機構は、物々交換で成り立っていたけれど、お金がただの紙になってしまったところから、いずれは、こういう情況がやって来るのは、あたりまえだったのかもなどど、詳しくない分、短絡的に思ったりしました。そういう意味では、破綻した会社で、クレジットで交換できる、食堂の食材を、社員が皆、ダンボールに入れて持ち帰ったという件には大ウケしました。
    イソップ物語の、牛の真似をして、爆死する蛙の話を思い出してしまいました。

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    2010/05/20 02:55

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