モジョ ミキボー 公演情報 モジョミキボー上演委員会「モジョ ミキボー 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    切ないごっこ遊びの二重構造が見事!
    文学座の名演出家鵜山さんと、所属俳優の浅野さん、石橋さんのタッグマッチ。そうです!!私は、文学座にはこういう名舞台をどんどんやってほしいと切に思いました。(文学座の公演ではないけれど…)

    演劇というごっこ遊びを2人の俳優で代わる代わる演じ、楽しそう。
    でも、2人が主に演じるのは、モジョとミキボーという、同じアイルランドのベルファルトに住みながら、カトリックとプロテスタントといういがみ合う異なる宗教の家庭に育った少年達。この2人が、橋を渡って出会うところからの切ない物語。
    その2人が一緒に観て夢中になった映画の主人公を気取って、このストーリー世界の中で、映画のごっこ遊びに興じる二重構造が、実に見事な演出でした。
    お2人の実力も互角でと言いたいところですが、やや浅野さんが上を行っていたかも…。
    お2人の演技がまさしく互角になったら、この舞台、もっともっと昇華する筈。

    それにしても、鵜山さんの演出は本当に大好きだとまた思わされました。
    何も背景のない舞台が、瞬時に、アイルランドのあれこれの場所に見えてくる素晴らしさ!!照明や映像の使い方のセンスも抜群でした。

    ただ、私のような世代には郷愁を覚える舞台ですが、若い世代の方々には、どう映るだろうかと、やや心配にもなりました。
    アイルランドの悲しい歴史や、映画「明日に向かって撃て!」を観て、予備知識を蓄えてから、観劇した方が、万全かもしれません。

    ネタバレBOX

    お2人が、瞬時に役を替えつつ、モジョとミキボー以外にも、何役も演じて、その様子が楽しげで、全般的には笑って楽しく観られます。
    でも、描かれている世界の実話が想起され、最後は、胸が切なく疼きます。
    「ブラッド・ブラザーズ」にも似た、劇世界。
    2人が、「明日に向かって撃て!」のブッチとサンダンスを気取って、楽しげに遊び興じる程、最後の2人の別れが切なくてなりません。
    殊更、説明なく、2人の家庭の事情もうまく見せる脚本がまた見事!
    何となく、舞台を観ながら、本場の俳優が演じる、欧州の映画を想像しました。まだ映画になっていないなら、誰か映画化してくれないかと、期待します。
    それにしても、浅野と名の付く役者さんは、名優ばかりですね。

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    2010/05/11 23:06

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