豊後訛り節 公演情報 劇団1980「豊後訛り節」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白い、お薦め。
    「別府三億円保険金殺人事件」…別名「荒木虎美事件」を描いた骨太・重厚な物語。緊迫感と臨場感、その圧倒的な演技力に観(魅)入らされる。事件の特異性を濃密に描き出した作品は、第23回テアトロ演劇賞特別賞」を受賞するほど高評価されたという。

    主人公は強烈な個性を持つ容疑者、彼を取り調べる警察署の刑事たち、その息詰まる攻防が見どころである。そして警察=国家権力に見え隠れする体面と実状、その危うい均衡が現代社会に繋がっているかのようだ。偶然にも 公演前に東京高裁による「袴田事件」の再審開始が決定した。そのニュースと照らし合わせると、作品に描かれている”疑わしきは罰せず”という台詞、刑法の大原則 法諺に疑問を抱いてしまう。

    タイトルにある豊後=大分県(別府)で起きた事件、それが全国的に有名になったわけは、多額の保険金額、容疑者の前科といった蓋然性、状況証拠の積み重ねだけで有罪に出来るのか否かが焦点。容疑者にとって、信じられるのは自分だけ。切羽詰まった状況から浮き彫りになる心情、それを荒々しい態度と行為で表現する。全編 豊後訛りで紡ぎ 地域性を表すが、内容は一地域に止まらない。
    (上演時間2時間10分 途中休憩なし) 追記予定

    0

    2023/03/25 15:56

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大