実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/03/21 (火)
新宿スペース・ゼロにてトム・プロジェクト『ソングマン ~翔べ!三ツ矢高校・男子コーラス部~』を観劇。
演劇集団キャラメルボックスの多田直人さんや、2.5次元舞台を中心に活躍されている若手男優達が多く出演しているこちらの作品。会場に着いてまず感じたのは、女性のお客さん、それも若いお客さんが多いということでした。過去に拝見してきたトム・プロジェクトさんの作品は、実話を基にしたような社会派の作品が多かったということもあり、客席の年齢層は比較的高めで男女比に極端な差無しの印象があったのですが、今回はまるで異なる客層でしたので、一瞬会場を間違えたかと錯覚してしまう程でした。
しかし、キャスティングされているメンバーの顔触れを見れば納得。中でも主演の多田直人さんの存在感は半端なく、バンドのギタリスト&コーラス部の特別顧問という役に見事にハマっていたと感じました。また、男子コーラス部役の5人のキャストさんの好演も印象的で、個性豊かで面白い役どころにより拍車が掛かっているように感じました。誰か一人が欠けてもダメで、この5人だからこそ面白い。いや、そもそもストーリーが終始面白い。サクサクとテンポ良く軽快に進行する割に、一つ一つのシーンに見応えがあり、メッセージ性のある台詞も多い。作品の作り手、演じ手の両方の高い技術が上手く融合した質の高いエンターテインメント作品であるような印象を受けました。
青春って良いな、歌って良いな、時間って大事だよな、、など、文字に起こせば大したことではない?当たり前のようなことであっても、このような作品を観ることで改めてそれを実感するというか、何となく忘れ掛けていた大事なことに気付かされる感覚になるのは不思議なものです。"青春"とは一般的に13~20歳前半頃を指す言葉のようですが、"いつまでも青春"、"青春よいつまでも"などというフレーズもあるように、その気持ちを持ち続けていることが大事なのではないかと思いました。核となる人物はいるものの、物語に登場する人物の一人一人が重要なピースとなっている全員にスポットライトが当たる作品。良い舞台でした。