Dramatic Jam 5 公演情報 feblaboプロデュース「Dramatic Jam 5」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    コントとあったが、感性または感覚の寸劇「演劇ワークショップ」といったところか。演劇ワークショップ…失礼な表現になるが、全体を通してのメッセージ性ではなく、演劇の色々な描き、観せ、伝え、感じ方などを9作品に分散し詰め込んだみたいだ。
    そこには逆転の発想と思い込み、一瞬の閃きとアドリブ風、古典戯曲を通しての新旧の間(ま)、現代的な切り口、早口言葉のような台詞、言葉遊びといった演劇の魅力的な要素を連想させる内容だ。

    キャストの衣装は、全員 白ブラウスに黒ズボンというシンプルなもので、外見でコント内容の違いを表現しない。また舞台美術はテーブルと椅子、または素舞台で簡素、舞台技術<音響・照明>も印象付けない。すべては表現力で対応す(観せ)る。そんな状況の中でどれだけ観客の心へ”何か”を届けることが出来るか、それを試しているかのような…。
    (上演時間1時間弱)

    ネタバレBOX

    9作品のタイトルと概要は次の通り。

    1.「女子会の3人」
    3人で集まるが、遅れてきた女性は登山用リュックで、もう1人は普通のハンドバック。しかし必要な物はハンドバックから出てくるという逆転の発想。見た目の大小で決められない、その先入観の怖さ。

    2.「ラーメン」
    2人 カウンターに並んでラーメンを食べようとしている。女が「フラメンコショートッテ」と言うが、頼まれた男は「フラメンコショー撮って?」と意味不明の顔。改めて女が ほら「胡椒取って」と言う。ダジャレ…機転<アドリブ>による一瞬の笑い。

    3.「紙風船」
    女2人による古典作品の稽古光景…岸田國士「紙風船」のパロディで、新旧作品における間(ま)の違いを無言の長さで強調する。そして遅れている仲間へのイラつきで劇中劇であることを表す。

    4.「良いお知らせと悪いお知らせ」
    医師が患者に 良いお知らせと悪いお知らせ どちらが先に聞きたい?癌の告知が悪い知らせ、明日 隕石が落ちるという良い知らせ。余命ということでは逆かも…というオチ。

    5.「カツアゲ」
    高校構内におけるカツアゲ、といっても金品ではなく 相手が持っている個人<秘密>情報を脅し取る。級友、教師さらに校長の弱みを見つけて盗った、現代的な恐喝<切り口>をシュールに描く。

    6.「ジュモン」
    有名ラーメン店に並ぶ人々。油少なめ 野菜多め ニンニク云々と呪文のように続く。ラーメン通を気取るには、呪文のような注文を滑らか<早口>に喋ること。見栄・衒気の裏に隠された苦労が笑いを誘う。

    7.ぜひもの
    女性4人による作品だが、唯一印象にない。ぜひモノにしてほしいところ。

    8.「タオル」
    自分の彼氏、その名前を「トオル?」と紹介したが、男は「タオル」だと訂正する。今まで「トオル」だと思っていた女は思わず、どんな<漢>字を書くの?男は何気に「体(躰)を拭く」と答える言葉遊び。

    9.「殺し屋」
    闇組織に応募してきた女、彼女が別組織のスパイではないか。それを確かめるためにテストを行うが、それがサンリオに係るマニアックな質問責め。主宰の池田さんが前説の時にさり気なく触れる。

    短い作品群…”山椒は小粒でもぴりりと辛い”かも。

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    2023/03/12 10:06

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