満足度★★★★
ドラマ性が深いあるいはコクがある
修行のために寺に預けられている多田源氏の嫡男・美女丸は聾唖の娘・真名に一目惚れするが、彼女は雨乞いのため龍神様への生贄として白羽の矢が立ち…な物語。
生贄を要求する九頭龍も過去に恋人・伊月が(自ら)龍神様に身を捧げるという経験をしているし、いわゆる「悪役」というものが存在せず(強いて言えば龍神様が悪役か?(笑))勧善懲悪ではないのでカタルシスはないが、その分、因習に囚われる人々の哀しさや辛さ、それに美女丸の真名に対する想いなどが前面に出ていてドラマ性が深い(あるいは「コクがある」?)感じなのがオトナ向け?(笑)
ただ、老いた(?)主人公の回想的な構造はシリーズ(と言ってイイのか?)共通ながら、ストーリーの途中で最初に源賢(=美女丸のその後)が登場した時に時制がつかみにくいのが惜しい。