PerformenⅤ~Purgatorio~ 公演情報 電動夏子安置システム「PerformenⅤ~Purgatorio~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    両バージョン観た私もパフォーメンの1人?
    昨年、初めてこのシリーズを観て「こういう手法もあったのか」と虜になってしまって以来、待ちに待った最新バージョンである。
    いつも観ている「多少婦人」に竹田氏が脚本を提供したことがあり、この劇団の存在は早くに知っていたが、普通のコント集団だと思っていて、多少婦人のメンバーから客演の案内が来ても、素通りしていた。いま思えば、残念なことをしたものだ。
    「神聖喜劇」と銘打ち、宗教や哲学の薀蓄が語られるのかと思いきや、中身は現代のコント、しかもそれにもちゃんと哲理と連動しているというところが好みだ。劇団内の分業制が徹底しており、見事な職人芸的なチームワークも魅力のひとつ。たまたま気の合った仲間が集まって演劇やっているという感じではなく、劇団員一人ひとり、パズルのピースのようにそこにはまるべくしてはまっているような印象を持った。役者陣の個性がとにかく魅力的で、
    客演者自身もこのシリーズのファンであるというだけに、劇団員との一体感が素晴らしい。また、客演俳優を本拠地で観たくなるのが、この作品の特質でもある。昨年は千秋楽に急遽チケットを知人にいただいたので、1バージョンしか観られなかったが、今回は念願叶って1日で両バージョン観ることができ、満足です。と言ってる自分もまんまと竹田氏の思惑通りに動いているのかも(笑)。

    ネタバレBOX

    今日までの期待感が大きく、雷鳴と共にタイトルバック映像が出た瞬間、鳥肌が立った。「律動」のダンス場面は、昨年のほうが躍動感があったと思った。今回、主役の少年役に「多少婦人」の石井千里が抜擢された。シリーズを通して出てくる少年役は、渡辺美弥子、「多少婦人」の阿部恭子、片桐はづきらが演じてきた儲け役であり、学生時代から石井を観てきた者としては感無量、娘の晴れ姿を見守る気分だった。石井はしゃべりかたに独特の癖があり、一度観たら忘れられない個性の持ち主で、本公演では「多少婦人」のときとはまた違ったオーラを感じさせ、昨年の片桐はづきとはまた異なる存在感を見せた。今回の役で、初めて彼女の資質に注目した人もいると思うと嬉しい限りだ。
    今回一番ギョッとしたのは岩田裕耳のアシンメトリーの髪型で、右半分が剃られている。心中期するものがあるようで、役者としての意気込みを感じた。アイメークにも凝り、群舞のシーンでも本物のアンティーク人形のような不気味さが出ていた。
    豪華すぎる(?)客演陣では、特に、新野彩子、横島裕、添野豪、山川ありそ、小玉久仁子、高田淳、猿田モンキーが印象に残った。新野と横島は人間離れした可愛らしさがある。小玉久仁子は気のせいかもしれないが、昨年のときよりもホチキス色が強く感じた。
    「配線」の場面で電気屋を演じる横島を観ていて、なぜか東京サンシャインボーイズ時代、伊藤俊人が主役で演じた人の好い電気屋を思い出させた。伊藤の電気屋も混乱に巻き込まれていく役だったっけ。
    コントのパターンは昨年とも共通している。個人的にはMバージョンのほうが面白かったが、「挿入」では、昨年のなしお成、高松亮の対照的な掛け合いのほうが数段面白く、今回は多少だれた。やはり、今回、外部出演で抜けたなしおの存在の大きさを改めて感じた。こういうコントのテンポの作り方は、何気ないようでもなしおが群を抜いているからだ。「多層」は、Fバージョンの「雑音」とも似た部分があるが、「多層」のほうが芝居として面白く、岩田の頑固な父親と小玉のテンションの高い母親が可笑しい。
    澤村一樹の大げさな2枚目気取りのロミオが笑わせる。「ゴルフ大好き小野部長」のテーマソングに乗って繰り広げられる道井良樹のコンビニトイレ争奪コント「条件」が絶妙。昨年の電車の座席争奪コントより面白かった。

    「長い」という声があったので2バージョン連続観劇を心配したが、まったく杞憂に終わった。初見のときもすんなりこの世界に入れたので、よほど好みに合っているのだろう。

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    2010/04/27 21:52

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  • KAEさま

    コメントいただき、ありがとうございます。電夏に注目していただき、大変嬉しいです。
    特殊な構造の芝居なので、うまく説明できず申し訳なく思いますが。
    この劇団はいくつかのシリーズを持っており、9月の公演は、これとはまた別のシリーズですが、私も未見のシリーズなので、どういう芝居なのかいまからとても楽しみです。ゲームと同じで各シリーズとも回を重ねるごとにその意味がだんだんわかってくるという変わった仕組みです。
    KAEさまのように多くの芝居をごらんになっている目の肥えたかたに観ていただきたいので、ぜひ一度お出かけください。

    2010/04/28 08:50

    きゃる様

    この公演、是非にも観たかったのですが、スケジュール的に、どうしても無理で、断念しました。
    きゃるさんの御感想を読んで、益々観られなかったことが悔やまれます。
    次回は、是非、私も、拝見したいと強く思いました。
    せめて、きゃるさんのご観劇の感動のお裾分けを頂けて、幸いでした。

    2010/04/27 22:17

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