厠の兵隊 公演情報 劇団桟敷童子「厠の兵隊」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    古き良きアングラの香り
    桟敷童子、初観劇でした。
    まず、会場の劇団員一丸となった、観客への心からの接待振りにとても好感を抱きました。
    セットも素敵!!
    旅芝居のアングラ版劇団風。
    昔、寺山や、唐芝居が苦手だった自分には、あまり好きなタイプの演劇ではありませんでしたが、でも、この劇団の空気を好きな方にはたまらない魅力がある劇団だろうと、容易に推察できました。
    何となく、先日観た黒色奇譚カナリア派風な舞台でしたが、同じアングラ色なら、私はこちらの方が好みです。
    東さんが描こうとされていることが明確で、清々しいのですが、やや、説明過多だったのではと感じました。

    ネタバレBOX

    私の子供の頃は、都会でも汲み取り式のお便所で、時々、バキュームカーが、汚物を回収に来ていました。
    夜、そのお便所に一人で行くと、納戸に置いてあった、人形がリアルにこちらを見ているような錯覚を覚え、怖かったことを思い出しました。
    なかなかリアルなバキュームカーもどきの戦車?が大道具として、大変効果的に登場して、この劇団の志の高さを感じさせられました。

    月子役の板垣さん、透役の鳥山さんが、見事に役を生きていて、舞台上で、輝いていました。
    如何にもアングラ演劇におあつらえ向きな音楽も効果的で、耳に残りました。

    ただ、少年の母親に対する思慕の象徴的描き方が秀逸なのに、殊更、説明台詞を付け足す必要を感じませんでした。
    一切の説明を廃し、観客任せにした方が、この芝居の空気感にはそぐう気がしました。

    7歳の少年が、母親に別れを告げるシーン、ふと、次男が幼稚園の時に「兄ちゃんはお父さんと結婚して。僕がお母さんと結婚するから」と言ったことを思い出し、心の中で一人受けてしまいました。
    我が家の還暦夫も、未だに、郷里の母親の前では5歳の子供に返ります。
    男性にとっては、やはり母親は永遠の女性なのでしょうね。
    そんなことを考えさせられる、男性目線の芝居でした。

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    2010/04/26 23:49

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