ブルーストッキングの女たち 公演情報 新国立劇場演劇研修所「ブルーストッキングの女たち」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    先日、新劇合同公演で「美しきものの伝説」を見たばかりだった。なぜ宮本研はほぼ同じ人物・時代を扱った二つの戯曲を書いたのかが、なるほどと腑に落ちた。「美しき」は抱月と若い小山内薫がたたかわせる演劇論と、堺利彦と大杉栄がたたかわせる革命論が中心である。「ブルー」は、男女関係、夫婦関係、人間関係を描いたもの。とくに妻と、恋人と同志という三人の女性を同時に愛した大杉栄、郷里の夫を捨て、辻潤と子供を捨て、大杉と一緒になる伊藤野枝が軸になる。そこに、平塚らいてうと奥村の安定したカップルが対照的に加わる。

    演劇研修所の修了公演を見るのは5回目だと思う。今までの「るつぼ」「社会の柱」などに比べると、動きと緊迫度の少ない戯曲だった。力でねじ伏せたり勢いで突っ走るわけにはいかず、若い俳優には難しかったと思う。とくに日常的な会話が続く前半がそうだった。

    ネタバレBOX

    全9場(「人形の家」の劇中劇を第3場として)。休憩後の6~9場がよい。人間関係のもつれの緊張感がグ~ッと高まって、衝突が起きる。7場の日蔭茶屋事件、8場の野枝と子供の涙の別れ。子役が出ないので、そこはエア演技になってしまうのは残念だが、野枝役の伊海実紗は渾身の泣きで、このクライマックスを十分感じることができた。最後、9場での大杉と甘粕の対決もまた見どころだった。もう少し長くやってほしいが、戯曲にないのだから仕方がない。最後は、野枝が甘粕と対決する。「あなたは大杉に嫉妬としてるのね。がんじがらめの軍隊から自由になった大杉がうらやましいんでしょ」と。

    エピローグのマコの語る、大杉のフランスからの手紙がよい余韻を残した。

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    2023/02/27 00:09

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