博覧會 公演情報 パルコ・プロデュース「博覧會」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    芸達者たちが繰り広げる人情劇
    とにかく役者がすべてうまい。
    きちんとしていて、わかりやすい。

    ただし、物語にやや盛り上がりが欠けていた。

    ネタバレBOX

    戦中の台湾が舞台。

    踊り子と役者の子どもとして生まれ、今は質屋の後添えとなった娘(星野真里)が、父(篠井英介)のいる台湾へやって来る。

    父の劇団は一時解散の憂き目を見たが、台湾で開催される博覧会で中国人や台湾人ともに舞台を行うというプロジェクトで、少人数の劇団員とともに台湾に留まっている。
    しかし、その計画はなかなか前に進まない。

    劇団員たちは焦り、座長である父親は、女形なので、台湾の役人たちのお座敷に出てプロジェクトの進行を促すために毎日を送っている。

    台湾にやってきた娘は、実は嫁ぎ先からお金を持って飛び出してきたのだ。
    劇団にいる若い役者(荒川良々)とかつて恋仲にあり、彼を慕ってやってきたのだった。

    そんなストーリーだ。

    ベタな人情劇であり、とにかく役者がすべてうまい。
    うまいと言っても、激しく火花を散らした対決姿勢ということではなく、組み合わせというか、絡み方が絶妙なのだ。
    篠井英介さんの女形の所作も美しいし、他の役者が演じる劇中劇の動きも巧み。

    そして、演出も細やかで、隙も無駄もまったくなく、よく練られているなあという感想だ。

    ただし、ストーリーが弱い。
    盛り上がりにやや欠ける。

    もちろん大げさな話を望んでいるわけではないのだが、もっと感情を揺さぶられたかったというのが本音だ。

    また、戦中の台湾がどんな様子だったのかはわからないが、それがうかがえるようなものもほしかった。説明台詞にはあったのだが、物語との関係などでもそれを見せてほしかった。

    荒川良々さんが演じる若い役者が、物語の中心なのだが、そこが立ち上がってこなかったというのが、もうひとつ盛りあがらなかった原因ではなかったのだろうか。

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    2010/04/18 08:22

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