実演鑑賞
満足度★★★★★
今年もワーグナーが観られた
タンホイザーの生は初めて
まずは中学生の頃から半世紀の間フルトヴェングラーで聴き慣れた前奏曲
管がちょっと?なれど、すぐに弦が取り返す
セットは天井近くまで届くような長い樹脂製?の棒を多用して、それが動くオープニング
ライティングが素晴らしい
ワーグナーには割とこういう現代的な舞台が似合うな
バレエというものはあまり好きではないのだけれど(まあオペラの中はアイーダとかも例外だけど)、音楽に合ったスピード感あふれる(下手上手を全力疾走するような場面も)ステージングと絶妙なライティングで大いに楽しむ
第1幕での拾い物は牧童
歌唱も素晴らしかったが、つの笛を吹く仕草が音楽にぴったり合っていた
タンホイザーを囲んでの騎士団の合唱がそれぞれの歌唱は良いのに今ひとつ合わなかったのが残念
第2幕は豪華
やっぱり大行進曲いいなぁ
合唱もちゃんと後ろで頷きあうなど演技してた
妻屋さんのバスを久しぶりにたっぷりと聴けた
タイトルロールのグールドは世界最高峰のヘルデンテノールと言われているらしいけど、個人的にはあまり好きになれなかった
声量があるのに、絞り出すように声を張り上げている感じがしたのは残念
エリザベートとヴェーヌスはなるほどと思わせた
妻屋さんはさすが、ヴォルフラムも良かった
新国立合唱団が舞台上に100人超えはコロナ以後は初めて見たかな、さすがの歌唱だった
全体通して景山梨乃さんのハープが大活躍で素晴らしかった
カーテンコールでペレスもアプレイズ
しかし彼はもっとオケに拍手させろよな
彼女も東響離れるらしいけど、コンマス水谷くんも来月で退団
彼のリードするオペラを聴くのは最後になった
荒木奏美ちゃんのオーボエも相変わらず良く歌っていた
チケット取ったの遅くていい席なかったから天井桟敷の最前列にしたけど、第2幕とか後ろの方まで良く見えたし、ピットの中も結構見えた
舞台上のセットでも十字架が出てきたけど、やっぱりキリスト教の色合いが濃いな
祈りと贖罪と恩寵
あんまり恩寵という言葉出てくるから、久しぶりにシモーヌ・ヴェイユの「重力と恩寵」思い出した
「ここに芸術と平和が続きますように」という歌詞が心に沁みた