実演鑑賞
満足度★★★★
母が子(息子)を思う気持、子が母を思慕する気持、その親子の情愛をファンタジーとして描いた追想劇。主人公:たーくんの脳内物語…理論というよりは感情優先で、思考ならぬ試行錯誤を繰り返していくようだ。或る日、ウサギのジャンピーが現れ 再び物語の続きを書くように促すが…。少しネタバレするが、25年ぶりに書き出したことから、物語の内容は勿論 登場人物まで忘れている。
物語は、微(幽)かに残る母との思い出を手繰り寄せるように展開し、関心を惹く。主人公の脳内で紡ぐ話は、現在であり 過去にも遡行する。時間と空間が錯綜し不思議な世界観を形成していく。
空間と時間は 離れ変われども、親子の情愛は不変といった分かり易さ。登場する人物によってお伽噺であり空想科学にもなる。人の脳内ほど描く題材は豊富、テーマに事欠くことなく自由自在に展開していく。
表層的には明るく楽しいが、何となく浮遊感がありすぎ、親子の絆・情愛の深さといった物語の芯が暈けたようで勿体なかった。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)【Aチ-ム】