タンホイザー 公演情報 新国立劇場「タンホイザー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    序曲の巡礼のうたのメロディーで始まり、同じメロディーでタンホイザーの救済を歌いあげて終わる。構成のしっかりしたオペラで、ワーグナーの旋律とオーケストラの響きを堪能した。ウェヌスの宮殿の官能の愛の世界と、城の禁欲的なプラトニックな世界の対立が鮮やかだ。ただ、官能の愛の世界を「罪」とするキリスト教的倫理がどうも堅苦しい。ワーグナーもそんな倫理を正しいと思っていなかったと思う。だからタンホイザーは最後に救われるのだろうが、それも死と引き替えにでしかない。

    歌手もみなよかったし、オーケストラもよかった。

    ネタバレBOX

    ウェヌスに享楽的なパリの体験を、城にドイツの古臭い因習を託して描いたという、ワーグナーの隠れた意図には驚いた(プログラムにある)。どちらにも容れられなかったワーグナーは、故郷の自然に憩いの場を見いだした。城の周囲の自然(1幕2場、3幕)はそれを描いている。パリで夢破れて帰ってきた時に、故郷の森に救われた体験が1幕2場を描くきっかけだという。

    三幕でタンホイザーがローマでの体験を語るくだりは、うっかり、ぼーっとしてしまった。次はそこを注意して聞きたい。

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    2023/02/07 15:31

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