フジヤマタイガーブリーカー 公演情報 MCR「フジヤマタイガーブリーカー」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    MCRの名作二作品を観る!
     「Track Back System」と「マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック」という再演ものを二本あわせてフジヤマタイガーブリーカーという興行名にしている。ちょっとここら辺がわかりにくい。最初1時間くらいの作品を二本建てで見せてくれるのかと思ったが、それぞれ全く別の作品で、それぞれ100分近くある力作。よってわれわれはいやでも二作品観ざるをえない(笑)。

     しかし、我々フアンにとっては、過去の名作を二本連続で観ることが出来るのはうれしい限り。それぞれテイストは違うながらも桜井ワールド全開で、昼夜観させていただいたが、MCRを堪能した幸せな一日だった。

    (付記)

     「Track Back System」の近藤美月、「マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック」の石澤美和、この2人の存在感にしびれた。特に石澤美和、かつては強烈な個性だけで勝負をしていたが、最近どんどん演技がうまくなっている。将来が楽しみでならない。

    ネタバレBOX

     「Track Back System」は戦隊モノの物語、デパートの屋上の子供向けのショーを舞台に、MCRの中では明るく派手な作品。しかし、内容は登場人物それぞれの悩みやいいらだちがあふれ、ロックコンサートの最後にギターやドラムを壊したり燃やしたりするような、破壊的なエネルギーを感じた。

     一方「マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック」はSFチックな物語。ある日、ある男性とある女性が痛みや感覚を共有するようになる。ところがこの二人には何の関係もなく、また運命的出会いでもなんでもない。全くの赤の他人がある種の感覚を共有するという不思議な設定の中に、繰り広げられる不条理演劇。しかし、随所に桜井流哲学がちりばめられ、我々は笑いながらも人間の切なさを感じる。

     MCRをコメディ劇団だと言ったら櫻井智也は怒るだろう。この芝居のどこがコメディだと。確かにありとあらゆる意味で深く哀しい(切ない)物語だ。

     二本とも面白かったが、どちらかと言うと「マシュマロ・ホイップ・パンク・ロック」の方が私は好きだった。下ネタがあふれる芝居だったが、いやらしさは全くなく、下ネタになればなるほど切なくなるという不思議な芝居だった。

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    2010/03/22 02:30

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