マジックリアリズム 公演情報 劇団龍門「マジックリアリズム」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    冒頭 妖しげな雰囲気の中、1人の男が追い立てられるように登場するところから始まる。何となくノワール劇かと思わせるが、ラストに明かされる衝撃の真実、そこには心の深淵と未来への希望が…。舞台の世界観、そこが何処なのかといった関心を惹かせるところが実に巧い。
    1人の男ー村手龍太 氏が緊迫と戸惑い、そして愁いといった違った表情の演技を観(魅)せる。命の選択と重み、その尊厳を切々に紡いだ感動作。
    (上演時間1時間45分 途中休憩なし)
    【Realizmチーム】

    ネタバレBOX

    舞台美術はブロックで出来た壁、それがほぼ対称的に作られ中央が出入口。この世界への通用門のようにも思える。上手 下手の奥に脚立が見える。そこへ上ることで俯瞰するような姿、それが天使なのか悪魔なのか。下手の鳥籠 中には青い鳥がいる。勿論、何かが何かに囚われたことを象徴している。公演を支えているのが、独特なメイクや衣裳で魅せる役者陣の演技であろう。そして怪しげな音響効果や薄暗い照明がそれらしい雰囲気を漂わす。

    男が坂本九の「上を向いて歩こう」を口遊みながら車を運転していると、突然 携帯電話が鳴りだし、何かの選択を迫る。そして「妻を」と呟き、暗転する。場面は変わり雨の中、女性(生粋万鈴サン)が何処かへ行こうとしている。その彼女を呼び止め、ベールを被った占い師風の女性が妖しい世界へ誘う。劇風が暗から明へ変わると同時に、この世界がどこであるかも分かる。

    ここは贖罪の世界…彼岸と此岸の間。車の男・村手さんに向かって生粋さんが「お父さん」と呼びかける。いつの間にか現実と非現実の世界が錯綜しているかのような錯覚に陥る。娘なんかいない、何かの間違えだと諭す。その頑なな態度がよけい父親を思わせる。幽界に32年間彷徨っている男の魂、そして弔い上げ 祥月命日の前日に起こった奇跡を通じて、命の尊さを知る。説明にある封印が解かれる「32の書」は男の悔悟か、はたまた改悟の記録<記憶>か。

    32年前、車内での決断は妻か娘(赤ん坊)の命、どちらかを選択しなければならなかったこと。母子ともに危険な状態での究極の選択である。自分の判断を覆し 妻は子を産んだ。そうとは知らず、直後に交通事故死した男の魂の彷徨であり咆哮が悲しい。色々な意味での未練、納得できない気持に整理がつき成仏ーー幽界での話。

    両親の思いを知った娘、妖しい女性によって誘われた一瞬の眠り、わずか20分の間に見た夢幻の世界、そこに命の尊さがしっかり描かれるヒューマンエンターテイメント。公演は単に父<母>と娘という直接繋がりのある魂だけではなく、1人の魂はもう一人の魂で、その無限の連鎖による魂の助け合い、そこに真のヒューマンエンターテイメントの真骨頂を観る。
    次回公演も楽しみにしております。

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    2023/01/28 12:52

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  • 観劇誠に有難うございました

    2023/01/30 08:28

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