スイングバイ 公演情報 ままごと「スイングバイ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    柴幸男ワールド全開!
     前回の「わが星」で星の誕生から滅亡までをちょっとコミカルな5人家族で表現した柴幸男が今度は「スイングバイ」で人類の歴史を超高層ビルに見立て、悠久の営みを会社での仕事に置き換え、独特のリズム感で表現した。

     初日ゆえの堅さもあってか、完成度ではまだ「わが星」に及ばないものの、岸田戯曲賞受賞というプレッシャーに負けず、自由奔放に演出している様子が伺えてうれしかった。端々に独特の感性と感受性が感じられ、今、時代と共にある劇作家の代表である。見逃してはいけない作家だ。

    「わが星」で完成させた柴流のリズム演劇が、今回も見事に機能し、オープニングとエンディングの会社の風景はまるでスポーツ中継を観るかのようなわくわく感でいっぱいだった。

     役者では部長を演じた菅原直樹が独特の魅力があった。新人サラリーマンを演じたいしおと、その恋人でエレベーターガールを演じた菊池明香がさわやかだった。

    ネタバレBOX

     場面転換で役者達が一斉にくるりと宙を舞う。これがスイングバイだと思った。回転しながら加速度を生む運動。このスイングバイで芝居全体にリズムを作り、そのリズムの中で物語にきらめきを持たせる。

     柴幸男はまるで化学者のように、新たな実験を次から次へと始めた。我々は錬金術師の産み出す化学変化をただ、楽しめばいいのである。

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    2010/03/16 01:20

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