12人のおかしな大阪人2023 公演情報 「12人のおかしな大阪人」製作委員会「12人のおかしな大阪人2023」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    ボケと突っ込みでしょうもない話をしながら、最後は人間の高尚な精神を語ってびしっと決める。「12人の怒れる男たち」のよくできたオマージュ作品だった。こちらの期待が大きすぎたのか、俳優が東京の水になじめなかったのか、笑いがはじけ切れなかったのがちょっと残念。

    4人掛けの長机が3、横に3つ並んだ細長い舞台。一人、また一人と陪審員がやってくる。ぼろぼろ傘にやけに執着したり、遅刻して「地図が間違ってる」と言い訳をしたり、それぞれ一つか二つ頭のねじが外れた大阪人。議題は殺人事件の評決。急性ベネディクト病で余命一週間だった牛丼屋の店長(40歳くらい)が容体が急変して亡くなった。元恋人の女性研修医が薬殺した疑いがある。その薬は治験中の特効薬だったが、副作用が強くて失敗とわかった。果たして女性は無罪か有罪か……。最初6対6で真っ二つの陪審員は、はたして全員一致の評決にたどり着くことができるのか。

    全員出ずっぱりの議論劇でサブプロットはないので、実はそれほど長くない。1時間40分。

    ネタバレBOX

    途中、牛丼屋の回想シーンを演じる。女性が牛丼屋の捨て台詞「死んでまえ。……」が、実は「〇〇、新田前。せっかく来たのに」だったのは笑えた。作家(ボブ・マーサム)のそもそも当事者でもない人間が、真実を見つけるなど不可能という(陪審員)裁判のアポリアを論じて「意見の不一致」でおわりそうになった。それを議長役(木内義一)が、自殺したピューリツァー賞カメラマンのはなしをひいて、「できることは他にはなかった。それを精一杯やったのではないでしょうか」と切々と訴えてひっくり返す。長セリフにはバックに静かなクラシックを流して感情を補っていた。

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    2023/01/14 16:34

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