実演鑑賞
満足度★★★★
ボケと突っ込みでしょうもない話をしながら、最後は人間の高尚な精神を語ってびしっと決める。「12人の怒れる男たち」のよくできたオマージュ作品だった。こちらの期待が大きすぎたのか、俳優が東京の水になじめなかったのか、笑いがはじけ切れなかったのがちょっと残念。
4人掛けの長机が3、横に3つ並んだ細長い舞台。一人、また一人と陪審員がやってくる。ぼろぼろ傘にやけに執着したり、遅刻して「地図が間違ってる」と言い訳をしたり、それぞれ一つか二つ頭のねじが外れた大阪人。議題は殺人事件の評決。急性ベネディクト病で余命一週間だった牛丼屋の店長(40歳くらい)が容体が急変して亡くなった。元恋人の女性研修医が薬殺した疑いがある。その薬は治験中の特効薬だったが、副作用が強くて失敗とわかった。果たして女性は無罪か有罪か……。最初6対6で真っ二つの陪審員は、はたして全員一致の評決にたどり着くことができるのか。
全員出ずっぱりの議論劇でサブプロットはないので、実はそれほど長くない。1時間40分。