満足度★★★★
多部未華子の好演が光る
「農業少女」という作品を初めて観たのは5年前、明治大学の学生劇団「劇団螺船」においてだった。この劇団は長年にわたり現代演劇の秀作を数多く上演しており、見逃した話題作にも出会える楽しみがあり、私のような者にとってはありがたい劇団だったが現在は活動休止中らしい。
「螺船」の公演のときは、当日パンフが「都市農業説明会」のパンフを兼ねており、入場するとすぐに「どうぞ」とウーロン茶の入った紙コップを差し出された。これが後の「健康に良いと言って飲んだ毒の入った飲料」の伏線になっているという趣向で、気のきいた演出だった。「螺船」は野田版に近い演出だったと聞く。今回は松尾スズキらしく楽しい趣向があるが、そのぶん「螺船」より筋がわかりにくく感じられ、テーマがすんなり頭に入ってこなかった。
人気公演らしく、平日の昼にもかかわらず席は完売。
雪の降った翌日でまだ冷え込みが残っているというのに、冷房が入っているかのごとく空調が寒く、途中で思わずコートを着た。
私はかねてから「農業少女」のヒロインには多部未華子が合っていると思っていたので、今回の配役が発表されたときは、わが意を得たりだった。
事実、多部は生き生きと好演している。
2010/03/12 11:56
2010/03/11 15:50
コメントありがとうございました。恐縮です。「農業少女」はわかりにくい箇所もある分、演出で印象も変わるし、何度か観たい作品ですね。今回2度目ですが、前回装置なしでよくわからなかったところがわかりやすくなっていました。今度、どこかがやったら、また観ようと思います。最近、東京農大の演劇部が上演したのも見逃したけど観たかったです。農大は過酷な部活環境の中、本当にがんばってるんですよ。
今回の松尾版は娯楽色があり、POPな農業少女だったでしょうか。いかにも大人計画らしいというか。野田秀樹作品ということを感じさせない、自家薬籠中の物になっていましたねぇ。
多部さんは、朝ドラで中村梅雀、高畑淳子、イッセー尾形といった舞台のベテランと組んだ経験が生きていると思いますね。
松尾と多部のファンが押しかけたためか、ぴあの一般販売ではダメだったのですが、
池袋芸術劇場のほうで奇跡的にとれたんです。でも休日に2枚はとれず、家族別々の日に行くことに。
でも、空調の埃の影響か、持病が悪化して本当につらく、翌日は寝込んでしまいました。tetoraさまのコメントも夫に音読してもらった次第です。