実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/01/08 (日) 17:00
横浜の劇場はKAAT以外はほとんど来たことがなく、この関内ホールも初めて。外観が立派だが、小ホールに入ってみると、10列目までは床面がフラットで、前列に座高の高い人が居ると、舞台が観辛そう。と思っていたら、前列に見るからに怖そうなガタイのいい一団が並んで座り、結構声高に喋りまくっている。話の様子だと、あまり観劇の経験がなさそうな一団だが、どういう関係での観劇なのだろうか。「キャバクラ1時間分(のお金)で社会勉強だ」という会話には笑ってしまったが……。
定刻に開演。幕が上がると、流木をメインにした大きな生け花が舞台中央に置かれ、その周りに椅子がある。
事前に把握していなかったのだが、リーディング劇である。男優はスーツを主体にした現代の服装、2人の女優は着物姿である。上演時間は途中休憩20分を含んで2時間。
まず驚いたのは吉田松陰があまりに豪放磊落で、大胆な人物として描かれていること。学者然とした松陰の印象が大きく変わってしまった。坂本龍馬は榊原利彦が高島嘉右衛門と二役を演じている。
高島嘉右衛門列伝となっているが、高島嘉右衛門は冒頭とラストに顔を出すだけで、あとはひたすらに幕末の志士たちの話である(江戸の材木商の嫡子であった高島嘉右衛門は幕末の激動期をほとんど獄中で過ごした)。
3回分の公演の総集編という位置づけなのでやむをえないとは思うものの、高島易断の開祖としてしか認知していなかった高島嘉右衛門について知りたいと思っていた身には多少の物足りなさも。
男優陣はいずれも基礎のしっかりした演技(と朗読)である。鈴木杏樹が艶やかで美しく、AKB48だった飯野雅が可愛い。