実演鑑賞
満足度★★★
主演の今藤陽子さんが初日前日の稽古で舞台から転落。後ろ向きに落ちた為、後頭部を強打し脳震盪で絶対安静。初日と二日目のマチネを中止。二日目のソワレと三日目を異儀田夏葉さんが代役、それ以降千秋楽までを関絵里子さんが代役することとなった。前説で異儀田夏葉さんは台本を持って演じることの断り。見掛けが調書風に細工された台本の為、特に違和感なく進行。異儀田夏葉さんの素晴らしい主演振りに詰め掛けた超満員の観客は文句なしの大拍手。作・演出の岸本鮎佳さんも何とも言えない表情でカーテンコールに立った。
物語は女性留置所での人間模様。留置担当官達と収容されている被疑者達、面会に訪れる家族達。副署長との不倫に悩む主任・異儀田夏葉さんは高校の同級生・小林きな子さんと思わぬ再会をすることに。姑を包丁で切りつけた傷害事件の被疑者として。
新人担当官役の里内伽奈さんは永野芽郁似で可愛らしい。
副署長役の板垣雄亮 (ゆうすけ)氏のインパクトは強力。
マザコンキモ夫役の近江谷太朗氏は出演を知らなければ彼だと気付かなかった。
おっさんとおばちゃんのギリギリのラインをつく33番、加藤美佐江さん。
岸本鮎佳さんの独特の笑いが場内を揺らす、まさにリアル『ショウ・マスト・ゴー・オン』。無理して観る価値は充分ある。