ミツバチか、ワニ 公演情報 あひるなんちゃら「ミツバチか、ワニ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ゆるくても、広さに負けない密度
    駅前劇場のステージがとても広く感じられたのですが、
    物語が進むにつれて
    空気が舞台全体をくっきりと支配して・・・・。
    あひるワールドが拡散するのではなく
    さらに豊かにふくらんでおりました。

    ネタバレBOX

    駅前劇場の空間を二つにして、
    シーンを切り替えながら物語が進んでいきます。

    相変わらずどこか噛み合わない会話、
    何かがずれたような感覚・・。
    そこから醸し出される
    複雑にブレンドされたような可笑しさ・・・。

    それは、今回のような広い舞台であっても
    へたれることなく、
    むしろ、個々の役者の芝居の強さが
    空間にくぐもらずくっきり見える分
    より繊細な可笑しさへと変わっていきます。

    占いのあいまいさやいい加減さに
    ちょっと当たるも八卦感を織り込んだり、
    社長の不思議な役立ちを差し込んだり・・・、
    部屋へのどこか無節操な出入りや、
    さらには物語が芝居の枠をはみ出す部分の感触が
    明後日の方向に散らばるのではなく
    絶妙に観る側の感覚と噛み合う。

    前世を二択にする感覚が、
    この舞台だとなんかなじむ。
    ウィットをしみこませたり編み込ませて
    ちゃんと映える空気があって。

    役者が演じきる、実はしっかりと腰の据わった個性や雰囲気が、
    観る側を共有された感覚でつなぎつつ
    しなやかに振り回してくれる。

    舞台の広さが、面白さを拡散させず
    むしろ、醸し出す雰囲気を大きくくっきりと魅せていくことに
    作・演出や役者たちの技の確かさを感じて・・・、
    いや、それを表だって意識させないところが
    あひるなんちゃらの空間の凄いところで。

    もう、完全に、あひるワールドの虜になってしまいました。


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    2010/03/06 07:21

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