The Heavy User 公演情報 柿喰う客「The Heavy User」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    @本堂
    シアターグリーンのビルの隣にある仙行寺というお寺の本堂で観劇、というか拝観してきた。
    開演前のあいさつでは、上演時間は約1時間と訂正された。

    ネタバレBOX

    これまでお寺の本堂で仏事以外の催しを見たのは2回。青砥の延命寺ではトリのマークの芝居、白金の正源寺ではアラビア音楽のコンサート。どちらもお寺の人がそういう文化活動に理解のあるようすだった。
    この日の公演もそうだが、本堂には和風シャンデリアと呼びたくなる豪華な飾りが天井から下がっている。仏壇も華やかに飾り付けられていた。普段は住職がお経を上げる場所だろう、仏に近い板の間が芝居の舞台。檀家が座る畳の間が客席になる。
    開演間際になったとき、仏壇の下手(といっていいのだろうか)に、喪服姿の出演者8名が所在なげに集まってたたずむ。
    始まると、結局は全員が最後まで出ずっぱり。動きと声はダンスと歌のように、あらかじめきちんとアレンジされた、いかにも柿喰う客らしい演技。

    内容はまあ、ホラー作品「リング」の影響がいやでも感じられる。
    回転寿司で、苦情受付の窓口として働く女子従業員にしつこくかかってくる謎の電話。出ても相手の声は聞こえず、不気味なノイズが響くばかり。やがてその店員が勤務中に自殺。ボールペンで両耳をなんども刺すという異常なやり方で。警察が捜査に乗り出し、店内のセキュリティ・カメラ、通話を記録した録音テープがチェックされる。まもなく今度は捜査に当たった刑事二人も自殺。果たしてノイズの正体とは。

    数日前に本番を終えたばかりの七味まゆ味も出演。開演前は、稽古期間も少ないことだし、台詞のない幽霊の役でもやるんじゃないかと勝手に想像していたが、驚いたことにほぼすべて英語で台詞をしゃべった。あれはやっぱり海外遠征に向けた趣向だろうなあ。アフタートークではそうじゃない旨を作者が発言したらしいけど。

    終盤にひとひねりを加えて、単なるホラーではなく、SF作品でみかけるような文明批評をテーマとして浮かび上がらせている。とはいえ、全体としてはストーリー的にちょっと物足りなさを感じた。素舞台で上演してもいいような芝居だったという点では、お寺の本堂でやる意味もあまりなかった気がする。まあ、本堂に入れただけでも楽しいんだけどね。

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    2010/03/01 15:40

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