満足度★★★
初見の演目
「シルヴィア」というバレエ作品を全幕で見るのはこれが初めて。以前に一度だけ、ガラ公演で同名の短いパ・ド・ドゥを見たことがあるが、そのときのダンサーの衣装は現代風だった。あとでわかったのだが、それはハンブルグ・バレエ団の振付家ジョン・ノイマイヤーが1997年に古典を現代化した作品だった。
もともとは1876年にパリ・オペラ座で初演された作品。
今回のは英国ロイヤル・バレエ団のフレデリック・アシュトンが1952年に振り付けたものをベースにして、それがいったん失われたのを2004年にクリストファー・ニュートンが復元したものだという。
バレエ作品の場合は同じ題名でもいろんな人が違う振付をしているし、作品の成り立ちにもいろいろと背景があったりするので、興味を持って調べるぶんには問題ないけれど、気軽に楽しむにはちょっと面倒なところがある。
それに演劇とは違って状況を説明する台詞がないので、初めて見る作品の場合はプログラムを買うなどしてあらかじめ粗筋を予習しておかないと、話の内容についていけなかったりする。
女性の名前がそのままタイトルになっているバレエ作品としては、「ジゼル」や「ライモンダ」や「パキータ」などがあるが、それに比べると「シルヴィア」という名前はずいぶん現代的だ。けれど実際の内容は、ギリシャ神話を題材にした古風な物語。