実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/06/18 (土) 14:00
演劇集団キャラメルボックスで何度も上演された戯曲とのことだけれど、自分は初見。
ほとんどの人には聞こえない「第二の声」を巡るサスペンスなのだけれど、大切な人を守ろうとする人々の物語でもあって、じんわりと切なく愛しい舞台となっていた。
なにしろ初見なので、皆さん当て書きかと思うようなハマり役だと感じたけれど、ウィキペディアで過去上演の配役リストを見たりするとだいぶイメージの異なる方もいたりして興味深い。
三浦さん演じる波多野の威圧感と哀愁が特に印象的で、雪絵役の椎名さんの凛とした美しさが波多野の行動に説得力を加えていた。
主人公ユーリを演じる中舘さんの強さともろさ、彼女の思い人である幸吉役の野口さんの誠実さと優しさ。クライマックスでの毅然とした演技はもとより、序盤の電話でやりとりする2人の微妙な関係性がとても素敵だった。
滝島役 遊佐さんと部下の勝本役 関根さんコンビのテンポのよさ。
チカコ役の環さんのイキイキとした少女らしい魅力。
高杉役 土矢さんの旧友の死因へのこだわり。
津田役 浮谷さんの抜け目なさととぼけ具合。
そして、広瀬教授役の近江谷さんの飄々たした面白さは反則級だった。