In C 公演情報 Co.山田うん「In C」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    今年のKAAT公演を見逃した本作が早くも再演と二日前に知り、早速出掛けた。山田うんは「モナカ」以来二度目。「In C」(イン・シー)とはテリー・ライリーという著名な作曲家の楽曲の名で、これをダンス作品とした。楽曲はミニマル・ミュージックの範疇で、思い出されるのはダンスカンパニーのローザスがスティーブライヒの楽曲に振りを付けた「ドラミング」。これは音楽のダイナミズムを舞踊付きで味わう作品、つまり楽曲が完全に前面に出ていたが、今回は(「In C」が楽曲名である事を観る時は知らなかった事もあるが)ダンスのオリジナル作品として観た。オノサトルがアレンジして現代的な音になっていた事と山田うんの斬新な身体表現が楽曲に従属した舞踊とは一線を画していたが、間断なく徐々に変化する音楽の圧は「踊り」(ダンサー)に大きな負荷をかけると同時にそこに充満して行くエネルギーがある。
    舞台は遺跡の石のパーツのような白褐色の装置、そこに同系色の奇妙な衣裳をまとったダンサーが登場、皆一様にアトムの頭のように固めた光沢の黒髪。ソロ、ユニゾン、アンサンブルの動きが絶えず脳に刺激を送って来る。身体というよりその「形」と変化が何か人間とは別の風景や現象、または視覚を超えたニュアンスとあらゆるイメージにアクセスさせる。
    若干照明を落とす場面では条件反射で瞼が下がり目を開け続けるのに苦慮したが・・。山田うんの発想力とダンサーたちの再現力に脱帽する。

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    2022/12/29 09:13

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