実演鑑賞
満足度★★★★
明治開化で現代劇が始まった頃、活劇というジャンルがあったそうで、日清戦争名場面などを舞台でやってみるのがはやったそうだ。これはまさにシェイクスピアが書いた英国史の活劇で十世紀も前の英仏(仏王・吉田剛太郎)の戦争をめぐる両王家の活劇である。不運、不人気のジョン王(横田栄司)の話として、英仏国民にはおなじみの話なのだろうが、いかんせんここは極東の日本で話になじみがない。彩の国シェイクスピアシリーズで最後に残った歴史劇大作も、英仏陣を衣装の色で分けるとか、主人公の王族私生児(フィリップ・小栗旬)を冒頭、お得意のホリゾントを開けて町の中から登場させるとか、日本の流行歌を挟んで、観客を休ませるとか、蜷川が発明した趣向を取り入れて最後の歴史劇巨編をキャスト三十人の殺陣満載で挑んでいるがとにかく長い。20分の休憩を挟んで80分づつ。年末に3時間では客の入りはどうだろうと思ったら、これが意外にもほぼ完売。大河ドラマで人気のあった小栗旬の人気によるものだろうか、寝ている人も多かった。