パニ★ホス 公演情報 PU-PU-JUICE「パニ★ホス」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    それなりに楽しいのだが
    濃いキャラが揃い、オープニングからしばらくは、ドタバタ感の強い舞台が続いた。これは面白いと思ったし、笑った。
    が・・・

    ネタバレBOX

    落ちこぼれ患者(?)の集まる303号室の登場人物たちは、ドタバタなコメディとしては、なかなかいい雰囲気だ。
    中でも足を骨折した韓流スターは、カタコトすぎて何を言ってるのだが聞き取れないところもあるものの、いい味を出していた。笑えるところが多かった。

    しかし、しばらくすると、ヒロインが登場し、不治の病だと言う。てっきり、これもコメディの一部だと安心して観ていたら、どうやらホントらしいのだ。
    このあたりから、様子が変わってくる。
    イケメンも現れ、ヒロインとの恋物語が始まる。

    で、結局、物語的には、不治の病で死に至るのはイケメンと美人のヒロインじゃなきゃということらしい。そういう展開は、なんだかなーという感じ。

    303号室に揃う登場人物すべてがなかなか面白く、結構笑った後だけに、こういう展開は、イマイチ楽しめない。長いし。

    「ホンネを言うことができない」「人とうまく絡むことができない」というテーマはいいと思うし、その展開と解決のような方向もいいとは思うのだが、せっかく登場させた303号室の人々を手放して、見栄えのいい登場人物と、いまさら感の不治の病(癌と白血病)の話のほうに展開させていくのはどうなのかな、とも思ってしまう。

    そういう方向で進めるのならば、最初のドタバタはもっとコンパクトでもよかったのではないだろうか。

    また、とにかく登場人物が多い。どう考えても必要ないと思える登場人物もいる。ヤクザと借金の取り立て屋のイメージはだぶってるし。

    さらに、多い登場人物たちのためになのか、短いコントのようなシーンが差し挟まれる。例えば、目の病気が回復して包帯を取る患者と看護婦、霊感商法を行うヤクザ、看護婦たちのホンネ、魔王に身体を乗っ取られた老人などなどである。
    どれも物語とは関係ないので話の深みを増す役割もないし、あんまり笑えないし。

    そんな感じで、とにかく長く感じてしまった。
    物語があちこちにふらふらしている印象さえある。

    今回一番驚いたのは、結構重要なシーンが、なぜかビデオの上映で進められたことだ。そのシーンが映像でしか表現できないものだったとは思えず(カット割りも普通だったし)、特に、男の感情が初めて露になるシーンだっただけに、なぜ生で舞台の上で演じさせなかったのかという疑問が残る。
    生で観せたほうが絶対に心に残ったはずだ。

    また、物語の肝とも言える、この物語のヒロインが、自分と同じように「ホンネを言うことができない」ということで、小説の中のヒロインに共感するのだが、小説の中のヒロインにはそういうシーンがあまりなく、もうひとつ納得度が低い。
    納得度が低いので、シンクロしていくというストーリーがもうひとつ響いてこなかったし、もっと演出でシンクロさせてほしかったとも思う。

    さらに、ラストはすっぱりと終われるところがいくつもあったのに、なぜか全員でドタバタと舞台を走り回るグダグダ感はなんだったのだろう。最後に笑いを、という意図だったのだろうか。笑えなかったけど。

    0

    2010/02/27 04:43

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大