オブンガク堂 cafe 公演情報 WANDELUNG「オブンガク堂 cafe」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    アイディアが良い
    「オブンガク」と聞くと、「おフランス」みたいに「文学」に「お」を付けたのかと勘違いしそうだけど、
    オヤツと音楽と文学をミックスしたパフォーマンスだそうで「美味しく楽しく賢くなる」がキャッチコピー。なるほどね。
    代々木上原の丘の上のおしゃれな小ホール空間で、今回は夢野久作の小説『死後の恋』と『支那米の袋』の2作をもとにした朗読劇を、ロシア系のクラシック音楽のピアノ生演奏に載せて上演。
    オヤツも朗読劇のイメージに合わせた創作スイーツと芳醇なコーヒー。非日常的ななかなかすてきな3時間でした。新しい試みのようなので、アンケートに「チケプレ」をお願いしておきました。
    チケプレやったらけっこう「観たい!」人がいると思うのですよ(特に女性は)。今回は「観たい!」の登録は私一人だったけど。

    ネタバレBOX

    最初に曲の説明と簡単な物語の説明があった。
    最初の曲はハチャトリアン作曲「仮面舞踏会」より「ワルツ」。「仮面舞踏会」は折りしもこの日の五輪女子フィギュアスケートで浅田真央さんが使用した曲。
    次がラフマニノフ作曲「4手のピアノのための6つの小品」。
    そしてドボルザーク「スラブ舞曲」第10番とチャイコフスキーの「くるみ割り人形」より「トレパーク」。
    朗読劇の物語は2作交互に展開されていく。「死後の恋」はロマノフ王朝最後の姫が兵士に男装していたが銃殺され、死後、その愛により、森の奥深く戦友の兵士を誘って自分の死骸を発見させたと信じる元兵士コルニコフ。
    彼は浦塩(ウラジオストック)の目抜き通、スウェツランスカヤの大通りをさまよい歩き、実は姫であった戦友リヤトニコフの死体の下半身に銃弾として埋め込まれたのは「ロマノフの宝石」で、それは自分への愛の証として抜き取ってきたと話すが、だれにも信じてもらえない。
    「支那米の袋」は、同じくスウェツランスカヤの舞踏場の踊り子ワーニャが駐留米軍の司令官の息子ヤングにだまされ、支那米の袋に詰め込まれて船に乗せられるが、無残にも同じようにして乗せられた娘が十数人もいて、彼女たちは水夫たちに殴る蹴るの乱暴を受け、袋のまま海に捨てられてしまう運命にあった。ワーニャも海に捨てられたが、別の船に救助され、舞踏場の客に心中を仕掛ける。
    劇が終わった後、舞台挨拶のときに俳優の自己紹介してほしかった。コルニコフを演じた劇団昴の板倉光隆とリヤトニコフ、ヤング、水夫を演じた左藤慶はそれとなくわかったが、女優の名がパンフに2人あり、ワーニャを演じるのは1人なのでどちらが、平野麻樹子で室井沙織か、わからなかった。
    舞台となるウラジオストック全景とスウェツランスカヤ大通りの写真、ロシアの地図などが配布されたのは親切だと思った。
    異なる作品を交互に演じるという方法は、昨年の夏、黒色綺譚カナリア派の朗読劇でも採られていたが、今回は物語の舞台が共通なのでどこかでつながるのかと勝手に連関性を連想してしまった。原作をもとに2つの話を1つに脚色してまとめる手法もあるので、そうしたほうが興味深かった気もする。
    スイーツのメニューは「イチゴと赤ワインの紅茶シフォン(ロシアンティーのイメージ)」「コニャック風味の生チョコ(ロシア貴族の好む酒を使用)」「胡桃とココナッツのスノーボール(森と雪ををイメージ)」と、いずれも今回の小説の世界にちなんだもので、3種の中から1種選ぶ方式。だが、1人前の分量を少なくしても3種すべて試食できるかたちにしたほうが好ましい(実際、客が少なく、お菓子は余っていた)。女性3人で来て、お互いに分け合っている賢いグループもいたが(さすが、女性はこういう知恵を出す)。そして、いくらおしゃれな催しでも、皿やカップを置く場所がなくて、椅子の上に置いて、犬のような姿勢で食べている女性もいたのだ。これでは優雅な気分には浸れない。
    せっかくテーブルを使うなら、真ん中にテーブルを出して、観客同士の会話がはずむようにしたらいかがか。「出演者も加わりますので、会話をお楽しみください」と言うが、出演者は友人と話しているだけで、交流しようという姿勢が感じられない。テーブルのある椅子席もあったが椅子と椅子に挟まれ、近くの人以外、入っていけない。配置が不平等だ。
    だが、視覚、聴覚、味覚で味わう文学世界という試みは評価できる。

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    2010/02/25 23:35

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