二月大歌舞伎 公演情報 松竹「二月大歌舞伎」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    仁左衛門さんの芸は別格だね
    終演後のアラフォー世代の女性客の言葉です。
    私も、全く同感!孝夫さん時代から、もう40年来のファンですが、こんなに拝見する度、芸が磨かれている歌舞伎役者さんは、私の知る限り、他にはいません。
    18代目勘三郎さんは、初舞台から拝見していますが、最近、ほんのちょっとですが、芸が荒れていないかと心配しています。
    お二人とも、すっとファンでいる身として、今日の観劇は、ちょっと複雑な思いが交錯しました。

    爪王…素晴らしかったらしいです。友人が、一番良かったと言っていて、楽しみにしていたのに、遅刻し、着いた時には、割れんばかりの拍手が聞こえていました。お隣の席の方も、「最初のは良かったね」と話していましたし。ただもう、残念。
    俊寛…ダントツ、勘太郎君の成経が素晴らしく、彼の役者さんとしての進化に目を見張りました。七之助君の千鳥は、まだ型だけの芝居で、心根が伝わらず、残念でした。勘三郎さんの俊寛は、意志の強さは出ていましたが、人間の弱さを表出する部分が欠けていたように感じました。俊寛の悲哀があまり伝わって来ませんでした。ただ、「来世で」の台詞は先代への個人的な思いが感じられて、ちょっとほろっと来ましたが。最後は、得心して笑みを漏らす方の型で、私はこの方が好みでした。
    口上…文字通り、久しぶりに、本当の「役者」が揃った口上で、先代勘三郎さんへの思いが口先だけでないことが伝わり、気持ちの良い、ご挨拶でした。
    ぢいさんばあさん…何度観ても、3幕目では、泣いてしまいます。ハートフル歌舞伎の1級品演目。仁左衛門、玉三郎の当代随一のコンビの名演はもちろんのこと、甥夫妻の橋之助、孝太郎等、脇の好配役も手伝って、本当に心温まる素敵な舞台でした。37年というキーワードが出て来ますが、まさに、私がこの演目を最初に観たのは、40年近く前なのでは。あの時は、1幕の実年齢に近かったお二人が、今回は3幕のぢいさんばあさんの年齢に近づいて、終幕の老夫婦の愛情溢れる場面がより繊細に演じられて、お二人の円熟の演技に、何度も涙を拭いました。お二人とも、可愛くて、本当に素敵な老夫婦ぶりでした。

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    2010/02/24 21:54

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