実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/12/17 (土) 14:00
この劇団の本公演を観るのは3回目。とてもいい気持になる芝居。観るべし!112分。
20代後半の男女が、悩んだり振り返ったり落ち込んだり前を向いたりする群像劇。中心になるのが教員の絵莉子(柿原寛子)とその近所に住む仁科(袖山駿)。さらに、その知己の歯科医・アッキー(武田紗保)と同棲するあきら(大嵜逸生)、絵莉子の同僚後輩の畠中(家入健都)や仁科のパート仲間・氷室(助川紗和子)、仁科や氷室が買いに行く弁当屋の東(一嶋琉衣)も加えて、様々な関係の男女の葛藤を、コメディで描く。とにかくセリフのキレがよく笑わせてくれるが、時にシンミリさせるあたりも脚本の巧さを感じるし、それを笑いにできる役者陣も見事。7人に加えて、老婆や中学生ほか「森羅万象」を演じる宮野風紗音が巧い。間を取らず展開する演出も効果的だ。この年代の持つ、達成感と喪失感を巧みに描いて、とてもいいモノを見せてもらった気になる。
本劇団の本公演は3回目だが、どれも星5つを付けてる!作・演出の藤田はリアルさに満ちた物語を書き、自分の経験をベースに書いているのではないかと思う。人間を信じる気持を書いているのではと感じる。
とにかくいい芝居である。