凪げ、いきのこりら 公演情報 安住の地「凪げ、いきのこりら」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★

    7人の白い男女の群舞のような幕開け、「ヘイワ」を合図に、争いが始まり、その後の世界へ。本編は遠い未来の話のようだが、字幕には「1000年前」と繰り返される。遠い未来の出来事を、さらに未来の客が1000年前のこととして見るという構図だろうか。

    わずかに残った陸地で暮らす、生き残った生物たち(人間とは言わないが、演じるのが人間で言葉も発するから生物一般とは見にくい)。二度と再び繰り返さないように、「過ちはくりかえませんから」と空虚な誓いを繰り返す。しかし暴力、喧嘩、争いは再び盛り上がり、止められない。差別をタブー視する政治的正しさをホルスタイン差別で戯画化するのはコント。そうした偽善への冷笑はあちこちに。

    言葉だけの反差別、平和、共生を揶揄しているが、抽象的なので嫌味はない。そこが取り柄。いくさ批判、闘争が続くことへの嫌悪と、平和や良識の形をした偽善への批判・嫌悪が併立する。目一杯肉体と声を酷使した演技(パフォーマンス)なのだが、抽象的で面白みに欠け、直接的すぎて微苦笑と食傷が抑えられない。最大の嵐の予感、異なる種族らしい足跡など、回収されないままの伏線も多い。1時間50分

    ネタバレBOX

    赤いヒラヒラの女が卵を産み、育てるという男と、こんなひどい世界に生まれさせない、殺すという女の対立が起きる。女は「穴」に食われ、他にもふたりが食われ、皆恐慌に陥る。指導者のウブメが、「あなたのことは新しい世代が覚えていてくれるから大丈夫」と励まして、生き残ったものらは「穴」と戦うため、皆飛び込む。ナナシ(日下七海)が卵に希望を託して。
    最後に地上について聞いたことを懐かしむ二人は、子孫だろうか。

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    2022/12/17 20:40

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