実演鑑賞
満足度★★★★
面白い、お薦め。
等身大の女性を通して見た家族、特に母との関係を客観的に俯瞰しつつ、同時並行的に綴った追憶劇。旗揚げ公演とは思えないほどの完成度に驚かされる。璃音さんが演じる二十代の女性が過去の記憶を呼び起こし、現在に至っている情況を切々に語り、その表現し難い思いを実に上手く伝える。過去は変えられないが未来は切り開ける、はよく聞き言葉だが、それを地で行くような展開である。ラストはホッとし 自然と笑みがこぼれるような…。
物語は大きな うねり があるわけではないが、不思議とその世界観に引き込む 力 がある。登場人物は家族をはじめ身近にいる人々で、その存在や性格に特別な特徴等を持たせない。観客は それぞれ自分の内にある記憶ー思い出と向き合えるような、そんな味わい深い公演である。
(上演時間1時間30分 途中休憩なし)