実演鑑賞
満足度★★★★★
#遠藤留奈 #鈴木将一朗
#江本純子(敬称略)
千秋楽。
江本さんは、ずっと演劇のカタチを追求して突き進んでいる。やりたいことをやる、やり続ける勇気を毎回たくさん与えてくれる。
映像(映画)と演劇(生の舞台)の融合。さらに音楽と照明も。その上、演技エリアのバリアフリー。どこまでも進化して広げていく開拓者。
ただ、今回は演劇の部分は無い。必ず映像があって、活弁士のように声を当てるのだが、それを映っている本人がやるところが面白い。映画などで行われるアテレコ(アフレコ)をレコーディングではなくライブでやる。人間同士、俳優同士であればその場で調整できるだろうけれど、映像は待ってくれないし合わせてくれないし、躓けば置いていかれる。コレをやろうというアイディアは素晴らしいけれど、求められる俳優はシンドイだろう。その要求をクリアして優れた作品に昇華させる俳優の技術の高さのなんたること。
かつて銭湯だったあの場所に、ビーチがあって畳があってスクリーンが幾つもあって、なんともミラクルな空間だった。
BGMはYMOのテクノポリスが溶け出したような曲で、湾岸のロケーションの夜明けを彩る。そのサウンドをサポートするのが、この公演のために九州から5年振りに帰ってきたイナゴさんこと元アマヤドリの糸山和則さん。この再会も堪らなく嬉しかったなぁ。
江本さんの開演前のサービスもそうだけれど、この作品に携わる全ての人が、とにかく演劇を愛しているのを感じる。大好きな遠藤留奈さんと話せたのはいつ以来だろう。covid-19に襲われた世界になってから、終演後のキャストと話せたのは初。もうそういう世界は戻らない気もしていたから感激した。
素晴らしい演劇人に、幸せがたくさん訪れることを願わずにはいられない。