赤鬼 公演情報 演劇ユニット ヤコウバスニノッテ・・・「赤鬼」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    前から観たかった作品
    公演登録をしようにも、劇団形式をとっていないので、登録条件をクリアできない本公演のようなものは困ってしまう。
    便宜上、公演公式サイトは、公演詳細を載せた出演者のブログのアドレスを掲載させていただいたのでご了承ください。
    野田秀樹の「赤鬼」は観たいと思っていたが、チケットが入手できなかったりしてなかなかその機会が得られなかった作品。学生による今回のような上演がチャンスと思い、観にいった。それまでに読んでいた過去の劇評などを思い浮かべながら観たが、やはり、難解で、一度観ただけでは深くは理解できなかった。
    今後、何度か公演を重ねて観て行きたい作品で、野田秀樹自身もそれを望んでいるそうだ。島国の住人が異文化、異質なもの、よそものに抱く偏見と残酷さが伝わってきた。

    ネタバレBOX

    からだ全体を波のようにうねりながら、俳優たちが客席から舞台にあがっていくところから始まった。
    カットソーにバミューダ丈の短いズボンにレギンスを穿いた衣装で、漁師を表現する。
    「海の向こう」に強く憧れながらも警戒するミズカネ(酒寄拓)と「あの女」(村田広美)のきょうだいで少し頭が足りないと言われているとんぴ(川名幸宏)。島にやってきた異国の言葉を話す赤鬼(港谷順)。言葉が通じないながらも、漁師たちは意思の疎通を試み、友情のようなものが芽生え始めるが、再び、海に出た彼らは長い航海の途中で、船上で息をしなくなった赤鬼の肉を食べて生き延びることになる。
    助けられた女はフカヒレのスープを飲まされるが、自分の知っているフカヒレのスープの味とは違うと言う。「フカの肉」だと信じて、船上で死んだ赤鬼の肉を食べたことを知って、女は激しく動揺する。何ともやりきれない話だ。
    赤鬼役にあえて外国人を起用した公演もあったようだが、確かに海外で複数の言語を使って上演するにふさわしい作品かもしれない。
    「あの女」と村の長老を演じ分ける村田広美が印象に残った。
    この公演では赤鬼の存在感があまり感じられなかった。
    潮騒の効果音だけが響く中で、確かに「海」の魔力のようなものを感じさせる芝居だった。

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    2010/02/09 18:48

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