Invisible/インヴィジブル 〈舞台写真の公開はじめました!〉 【無事終了いたしました!ご来場くだすったお客様、ありがとうございました。】 公演情報 一徳会/鎌ヶ谷アルトギルド「Invisible/インヴィジブル 〈舞台写真の公開はじめました!〉 【無事終了いたしました!ご来場くだすったお客様、ありがとうございました。】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    面白い!(^0^)
    この劇団の公演って毎回、ちょっとエロい部分があるよね。だけれど、この微妙なエロさがいい。いあ、エロが好き!というのじゃなくて、このエロさが今回の公演でも必要不可欠なんだよね。湖泥を舞台にしたセットで、妖しいエロさ加減が絶妙の女体2つはレズビアンふうに白い太ももをあらわにゆっくりと転がりながら、くねる。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    序盤、妖しい女体が白い肌をあらわにして身悶えるシーンがある。まるでレズのごとく・・。この描写は由紀子と秋子だ。この二人の性的考え方がこの部分で表現され、以降ちょくちょく登場する。そんな嬉しくも(笑)、妖しい静かな場面から一転、消防団が湖底をさらう掛け声の場面への反転が上手い。流石だなー。。と心服する。こういった演出がほんと、素晴らしい。


    横溝正史の「湖泥」といえば、もう誰でも読んだ事があると思うけれど、御子柴由紀子の義眼のインパクトがあまりにも強くて今でも記憶に残ってる。

    磯川警部を訪ねた金田一は、磯川がある奇妙な失踪事件の捜査に関わっていることを知る。村の娘・御子柴由紀子は隣村の祭りのさなかに姿を消した。2日後、婚約者・浩一郎から由紀子に宛てた手紙と由紀子のサイフが相次いで見つかるが、そのどちらにも不審な点があった。そして義眼をくりぬかれて殺されていた由紀子は、いったい誰にどんな風に殺されたのか?この真相を探偵は暴いていくのだが、ここに登場する人物たちが、それぞれに人に言えない事情を抱えていたのだった。

    その事情とは、御子柴由紀子の婚約者・浩一郎は志賀恭平(消防団長)の後妻と姦通をしていた。一方で由紀子は北神浩一郎(北神家の跡取り)と婚約する前には西神康雄(西上家の跡取り)の心を自分にひきつけ手玉に取っていたのだった。つまり美貌の由紀子はどちらに転んでもいいように策を弄していたのだ。西神家と北神家は村を二分する有力者だったが、由紀子への恋に破れた康雄は村の劣等性となってしまう。僻地で隔離された村の因縁とは実に根深いものなのだ。

    そこに都会から逃げ帰ってきて自分の殻に閉じ篭ってしまった北神九十郎を、心身薄弱だといって相手にしない村民たち。村民たちが九十郎を無視し、見えない男として扱ったことが、この殺人事件の盲点だったことが暴かれる。不倫や暴行、姦通などを本人たちが必死になって隠そうとしていた事柄が九十郎だけには見えていたのだった。自分を相手にしなかった村人たちへの復讐の為に、由紀子と秋子を殺し、村全体に罪の烙印を押し付け、これから先も村の殺人事件が語りつがれるであろう状況を察して、九十郎は悪魔のように低く濁った野太い声を発っして「ざまあみろーー。」と叫ぶ。

    ダムのようなセットでの芝居。だから傾斜は45度くらいある。そんな上でキャストらは、それぞれが独特な動きで魅せる。一徳会/K・A・G の何が好きって、この絶妙な動きと空気感だ。そこには説明できない、言い知れぬ深みがある。その光景は本当に村人たちが自分の業や欲望や羨望や妬みを露呈しながらも、村という見えないロープに縛られ悶絶する姿が見えるのだ。その人間らしい姿が滑稽で可笑しくて、それでいて嘲っているのだ。だから人間の心理を、内心を、見事に見透かしている側面もあり、愉快でしかたが無い。村人の罰と罪の意識はバックに設置された十字架が見守る。


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    2010/02/06 16:49

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