実演鑑賞
満足度★★★★★
新作歌舞伎『唐茄子屋~不思議国之若旦那』
宮藤官九郎脚本なだけあって、冒頭のメタ的な群衆シーンへのイジリ、ルンバ(のような機械)に乗って現れる遊女、股間に鈴をつけての煩悩試験、など笑いどころは多い。歌舞伎の客層的に若干下ネタが受け入れられていない空気もありつつだが、楽しめた。
宮藤官九郎のアテガキも光る。中村勘九郎の若旦那、坂東 彌十郎の大家が特にはまっていて、中村勘太郎の持ち味と11歳という年齢も存分に生かされ、中村座の面々の魅力がつまっている。大人計画から参加した、荒川良々もいい味を出す。個人的にファンである七之助の魅力ももう少し引き出す脚本でもよいのにと思ったりはした。
また、浅草寺の境内の仮設舞台なだけあって、外の景色と組み合わせた演出は小気味よく、歌舞伎座とは違うライブ感に包まれたいい舞台だった。
人情喜劇と銘打っているが、大円団に持っていかない方が面白くなる気もした。
平成中村座の今後も楽しみにしております。