第45回関東高等学校演劇研究大会 公演情報 関東高等学校演劇協議会「第45回関東高等学校演劇研究大会」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    甲府昭和高等学校「 放課後の旅その他の旅」
    脚本: 中村勉( 顧問創作 )
    関東大会最優秀、脚本賞受賞(第56回全国高等学校演劇研究大会に推薦)


    高校生のともちゃんが放課後から下校時間までを学校の中で旅をするお話。

    以下はネタばれBOXにて。。

    ネタバレBOX

    オザワともこは同級生から「ともちゃん、今から旅をするんだよ」なんて言われて旅をすることになる。さて、旅を強いられても特別に行く当てもないともちゃんは、自分の学校でのポジションがないことに気づく。みんな、それぞれ自分のポジションを自覚してるのに・・。

    ともちゃんは同級生に促されポカン!としながらも自分の居場所を探しに行く。保健室へ行くと先生は「旅の目的の相談ですね。」と先回りする。ともちゃんは覚えがないけれど、予約が入っていたようなのだ。先生は「オザワは辛いよな。」なんて言いながら猫を探している。ともちゃんは「猫より大事にされない・・。」なんて嘆きながらも、今度は図書館に行ってみる。

    図書館では雑多な本が何だか踊ってるように動く。この場面の演出がお見事!だった。そうしてまた、ともちゃんは屋上や廊下や音楽室や色んな場所に行ってみるけれど、何処にも居場所はなくて、なんだか疲れてしまう。

    「もうそろそろ戻りたいな・・、でも戻ってもなかなか大変だな。私、ずっと旅してたんだね、旅は色々あるんだね。疲れた・・。」

    それからもともちゃんは何年も何年も旅を続けてました。「なぜ旅を続けたんだろう?この謎を解かないと家に戻れないぞ・・。」

    こうして16歳のともちゃんは自分のポジションも解らなくておばあちゃんになるまで旅をしていたんだ。おばあちゃんは振り返って思う。「楽しい旅だった。そして淋しい旅だった。」

    あやふやで傷つきやすくてちょっとの事でも悩んでしまう、そんな思春期の思いを旅という空想に乗せながら自分のポジションを追い求めたある女子の物語だった。序盤、不思議なぐだぐだな世界だなーって感じたのだけれど、終盤にさしかかっておばあちゃんが車いすで登場した場面から、「ああ、この物語は人生そのものだったんだ。」って気付かされる。

    きっとみんな誰でも自分のポジションを追い求めてふらふらしながら迷いながら、それでも諦めずに追い求めるのだと思う。何かにしがみ付いて、その恰好がやたらカッコ悪くて、みっともなくても、それでも這いつくばって生きる人生って素敵だと思う。そうしてやがて年老いて自分の人生を振り返った時に、ポジションらしきものが見つかってなかったとしても、そのあやふやな立ち位置が自分のポジションだったんだ。と気づかされるのかも知れない。その時にはそんな生き方も受け入れられる幅が出来てるはずだ・・。


    関東大会全体の総括
    全体的にひじょうにレベルが高く満足した。一日に6~7本を1時間ずつ公演するのだから、ワタクシたち観劇人も芝居漬けだったが、疲れることなく実に楽しいイベントだった。私見だが、どうやら審査員たちは、高校生らしい物語(現在の描写)と自分たちで制作した脚本が入賞させるに相応しいと感じたようだ。だから演技力とかうんぬんより、旬の作品上演校が受賞を総なめにした感がある。ロビーでは各高校のボードにコメントが多数、寄せられてて大会の空気感を満喫した2日間だった。次は全国大会へ。(^0^)

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    2010/01/22 22:39

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