ことばにない【京都公演中止】 公演情報 ムニ「ことばにない【京都公演中止】」の観てきた!クチコミとコメント

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2022/11/12 (土) 11:00

    座席1階

    午前11時開演で、2回の休憩を挟み劇場を出たのは午後3時半。4時間を超える長さで客席も役者もお昼ご飯は抜き! でもその長さを感じさせない、充実した内容だった。このチャレンジングな設定は成功を収めたといってよい。

    まず、舞台転換にリズムがあって観客を飽きさせない。次の場面に出てくる役者を、まだその前の場面が続いているなかで照明を落としたスペースに登場させて転換とともにスイッチ。演技を終えた役者はしばらくその場にいて、タイミングよく舞台から出る。カフェ、ソファがあるリビング、事務所、乗用車の中など小道具もうまく使ってまったく違和感を感じさせないスピーディーな舞台進行だ。
    舞台の床、そして奥の壁に向かってのデザインが斬新だった。物語の中身や舞台設定とは直接関係ない、デザインとしての装飾。あまり見たことのない舞台美術の一環だ。これを指揮したスタッフには敬意を表したい。すてきなデザインでした。

    そして物語。演劇部の顧問をしていた女性教師が書き溜めた戯曲の束を遺して死亡し、その葬式の挨拶からスタートする。演劇部には仲のいい4人の女の子がいて、物語はこの4人を中心に進んでいくが、その一人に亡くなった女性の息子が母の遺品の戯曲を送り付け、その内容が本人がレズビアンであることをカミングアウトする内容だったことで、話が動く。4人は演劇の市民ワークショップに参加するなど卒業後も何らかの形で演劇にかかわっているが、果たしてこの戯曲を上演すべきかどうか-。
    面白かったのは、市民参加の演劇ワークショップが実際に舞台上で行われたことだ。役者さん志望の若者ならなじみのあるものかもしれないが、そうでなければ「こんなことをするのか」と新鮮に映る。また、女の子4人の微妙な関係、会話もうまく表現されていた。この4時間という長編での膨大なせりふは大変だったと思われるが、役者たちはしっかりこなしていた。よく鍛えられている印象だ。

    驚くべきことに、これは「前半」なのだという。また、来年に同じくらいの上演時間で後編が演じられるとのことだ。実際、終幕では明らかに「後編へ続く」という形で展開した。
    客席のいすには柔らかなクッションがあり、長時間の鑑賞に配慮されている。2回の10分間の休憩ではトイレに行列ができるが、アゴラ劇場のトイレは男女同数の個室トイレがあって、ジェンダーフリーを感じた。客席数も絞ってある。劇団の心意気だろう。劇場を出たら早くも夕刻だったが、価値ある4時間だった。

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    2022/11/12 18:01

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